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2008年の記事

 

 

 

 

 

ハイパーライト

 

「売れるのがいい製品」を貫き、上場目指す

業種:プロ・業務向け照明装置の開発、製造、販売
ハイパーライト


技術に優れ、使い勝手もいい新製品が売れるとは限らない。買い手はその製品が、自分のニーズにマッチしているかという判断基準で買うか否かを決める。だから世の中のニーズを的確に把握することが企業存立の基盤ということになる。ハイパーライト(東京都立川市)の石丸秀行社長は、「いい製品だから売れるのではなく、売れるのがいい製品だ」と、社員をぐいぐい引っ張る。

シンプルでわかりやすい石丸社長の言葉には、実は営業、販売に関しての並々ならぬ決意が秘められている。企業が自信を持って市場に送り出す新製品には、極端に劣るものはそんなにないのが普通だ。このため同社長の言う「売れてこそいい製品」という流れを作るには、営業、販売力で後押しすることがどうしても必要になる。

プロ・業務向け照明装置の開発、製造、販売を手がける同社の開発コンセプトは「世の中にないものを製品化しよう。そうすれば売れる」。例えば、2007年11月に発売した「ナースライト」は、病院での夜間の病室見回り時に使うナースライトを胸ポケットに差し込む形に変えることで、両手を使った医療行為を可能にした。ライトも青みが強い発光ダイオード(LED)を自然光に近づけ患者の顔色を判別しやすくし、様々な医療行為を行っても本体の材質が劣化しないようガラス繊維を入れた樹脂などを採用した。東京女子医科大学病院で1年半以上の研究・ヒアリングを行い、市場に受け入れてもらう自信をつけた。

このちょっとした「世の中になかった」着眼点が大きな評判を呼ぶことになる。まず製品のサンプルを全国の病院や商社に1台ずつ送った。いける、と決断すれば、あとは積極果敢な営業あるのみだ。「つまようじからロケットまで売る」−石丸社長は元々営業に絶大な自信とこだわりを持つ。

このほか、低消費電力による発光が特徴のLED高輝度照明装置やディーゼル発電機が不要で騒音の低減につながるバッテリー式夜間工事用投光器など、環境に配慮したものづくりにも今後一層力を注ぐ。中小企業経営の要諦は技術力プラス販売力。同社長の言う「(売れるのが)いい製品」を増やせば増やすほど、目標にしている2011年度の株式上場は現実に近づいてくる。 


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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