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2008年の記事

 

 

 

 

 

株式会社石原産業

 

モノ作りの原点は技能の蓄積

業種:機械部品加工と金型設計製作
株式会社石原産業


「職人」や「技能者」は一定水準以上の技を持った人のことだ。現代の名工や人間国宝、技能五輪のメダリストなどはこのジャンルに入るだろう。「職人」は古くからの伝統技能を継承している宮大工や陶芸工、彫金工などだけではない。今でもモノ作りの現場には必ず職人がいる。最近ではフラッシュ職人と呼ばれる技能者もいるそうだ。これはコンピュータ上のフラッシュ動画を創る技能に優れた人を言うらしい。

精密加工や金型製作は典型的な技能者、つまり職人の世界だ。機械部品加工と金型設計製作が得意な株式会社石原産業(長野県上田市)は「職人技能である判断力、経験、勘、取りまとめる力を持つ人材」を育てる努力を続けている。「会社経営にとって技術者と技能者のどちらが多く必要か」と経営者に聞くと、大半が技能者と答える。技術者は学問や知識をモノづくりなどに応用できる専門家であり、大学教育などである程度の知識は身に付くが、技能者は一朝一夕に育たない。

とりわけ金型加工など金属加工分野では熟練した技能者の数が、企業経営を左右する。だからこそ同社のように技能者の育成に力を入れるわけだ。同社もNCマシンや大型のマシニングセンターを多数導入しているが、全てをコンピュータに負うわけではない。微妙な部分の加工やチェックは目や耳、指先、そして勘が頼りになる。コンピュータは技能者の勘までカバーしてくれない。結局は職人技が必要なわけだ。

ところが、団塊世代の定年や若年層の減少などにより、どの業界でも技能者不足に陥っている。技能は「経験の積み重ね」と言われるだけに、技能者を促成栽培するわけにはいかない。昔から「職人技は見て盗め」と言うが、盗むための技を持つ熟練技能者も不足している。こうした不足をカバーするため、経産省などでは技能伝承のためのデータベースを構築するなど支援事業を行っているほどだ。

同社でもOJT(オンザジョブトレーニング)と外部講師を活用した技能教育を実施、創業以来培ったノウハウや経験を現場で次代に伝えようとしている。同社は新たな金型生産システムの開発で「ものづくり基盤技術高度化法」の認定を受けた。これは見積もりから生産まで顧客のニーズに合わせ最適化するシステムで、CAD/CAMや情報通信技術など最先端技術を最大限に組み込んだものになる。ただ、このシステムを運用するには技能者の技が必要になるだろう。同社の技は「トータルとしてまとめ上げる力」と言うが、技能の蓄積があればこそ「まとめ上げる力」となっているのだろう。









著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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