株式会社カンディハウス
■北の大地から世界へ発信
業種:家具製造販売
株式会社カンディハウス
日本で生み出した家具を世界市場にどしどし押し出していこう。それも、超高級な国際市場に狙いをつけて、21世紀の家具として提案して行こう。この大きな志を持って新しい家具作りに励む企業がある。北海道は旭川に本拠を置く株式会社カンディハウス(旭川市永山町、渡辺直行社長)がその企業だ。
旭川は、良質な広葉樹材など優れた木材資源を背景に、婚礼タンスに代表される家具産地として古くから知られる。カンディハウスはこうした家具産地・旭川が生んだ家具メーカーのひとつだ。歴史もある。しかし、住宅様式の急変で1980年代後半から需要が急減、産地全体が苦境に立った。同社も例外ではなかった。ただ、同社は、時代の変化を先読みする力も持っていた。デザイン性を重視した脚(あし)モノと呼ばれる椅子やテーブルを早めに展開していった。創業者の長原實会長は、危機乗り切りの原動力となった人物だ。1960年代、28歳の時、同市の海外派遣制度でドイツにわたり、ここで本場のドイツ家具を学び、国際的な家具流通市場にも接した。この経験から、先端の技術と流通を目指すインテリアセンター(カンディハウスの前身)を仲間と起こし、「家具」から「インテリア」への転換に着手していたのだ。こうして、国内のみならず国際インテリア市場にもターゲットしたメーカーへと同社のカジ取りを進めていく。2005年にカンディハウスに社名変更した際、ブランド名もカンディハウスとし、社名との一枚岩作戦をとった。国内の直営網も着々固め、いまや、全国8ヶ所に直営店を開くまでになった。
ハイグレードのインテリアを生み出すため、デザイナーとのコラボレートに積極的なのも同社の特色。「北海道で活躍するデザイナーとつくる家具」もこの一環だ。スウェーデンに学んだ中村昇氏のラベンダー・ダイニングチェアーなど北欧モダンデザインなどを作り出している。世界的に著名な彫刻家・流政之氏デザインの木製椅子も同社から生まれた。もちろん、地元・旭川のデザイナーとのコラボレートにも力を入れている。こうしてデザイン性を研くとともに、2005年にはドイツに現地法人を開き、国際市場へのアプローチも一段と積極化している。
旭川家具を地域ブランドとして世界に発信していこうと、地元産業界、経済界は一段と力を込めてきている。同社の世界へ向けた志にはこうした動きも追い風となっている。欧米市場を“アサヒカワ”ブランドが走りぬける日はそこまで来ているようだ。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
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