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2008年の記事

 

 

 

 

 

株式会社ナガラ

 

■自社独自の取組みで若年労働力の確保・育成を図る

業種:金型メーカー
株式会社ナガラ


国内製造業の空洞化やコストダウン要請の強まりから、金型業界は厳しい事業環境におかれている。技術・技能を伝承・蓄積するためには、若年労働力の確保・育成は重要な課題であるが、金型メーカーの多くは、若年者の「ものづくり離れ」等から、労働力の確保に苦戦を強いられている。

株式会社ナガラ(愛知県名古屋市)は、「人」と「技能」を基盤に技術の高度化を図る金型メーカーである。同社は、設計部門と製造部門の連携により設計・製造工程の効率化・合理化を図る一方で、技術開発に積極的に取り組んでおり、特にプレス工程から発生したフィンガーやアタッチメント等の搬送装置に係る技術は大手企業等から高い評価を得ている。

同社の技術を主に支えているのは、従業員の約半分を占めるという20〜30代の若手社員である。景気の長期低迷から多くの同業他社が新卒採用を控える中、同社は若年者の採用にこだわり、熱心な取組みを工夫してきた。例えばバブル最盛期の人手不足から苦肉の策として始めたインターンシップは、同社の人材マネジメントの柱の一つでもある。同社のインターンシップ制度は、ものづくりへの関心を高める目的で段階的に取り組み始めたものであり、図面の勉強からワイヤー放電加工機等を使った小物部品加工・金型の組付加工等を体験する内容である。同社にとってのインターンシップは、中小企業でのものづくりの醍醐味や地域産業の必要性をアピールする重要な機会となっている。

同社では自社内の取組みとしてインターンシップ・スキル管理・チップ(報奨金)評価・QCサークル・5S活動・提案制度・資格取得支援・国家試験奨励・国内外への技術者派遣等々を恒常的に実施している。また大手企業の工場長経験者等が講師を務める「工場長養成塾」等のプログラムを利用した中核人材の育成も図っている。そして各々の取組みを体系化して有機的に結びついた取組みとしたことにより効果を発揮していると同社はみている。

景気回復や団塊世代の退職により大企業が人材の採用に積極的な姿勢をみせる中、知名度の低い中小企業が若年労働力を確保することは容易ではない。したがって、株式会社ナガラのように自社の特徴を捉えた企業PRを実施したり、魅力あるキャリアパス等を効果的にアピールして採用活動に臨むことにより、良質な若年労働力を確保していく必要がある。





著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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