株式会社セルシス
■「アニメ・漫画」人気を勢いづけたベンチャーの技術
業種:アニメや漫画の制作のデジタル化
株式会社セルシス
アニメや漫画の映像コンテンツが大ブレークしている。この隆盛は最先端のIT技術を駆使するベンチャー企業のソフト開発力に負うところが大きい。「日本の誇るコンテンツ文化を活性化する」を旗印にする株式会社セルシス(東京都渋谷区、川上陽介社長)は、アニメや漫画の制作をデジタル化して、テレビや携帯電話などに流通させる仕組みやツールの提供で圧倒的シェアを獲得した。ブームに乗ってソフト開発を加速する育ち盛りの企業だ。
同社の創業は1991年。当初から発芽期の産業を切り開く気概で、日本で最も早くマルチメディアのコンテンツ制作に打ち込んだ。コンピュータグラフィックス(CG)技術を磨き、独自の画像圧縮技術を身に付けて、エンタテインメントや教育など年間200タイトルに及ぶ様々なジャンルのコンテンツを創りあげてきた。創業15周年の今日、アニメ制作支援ではテレビで上映されるCGアニメの95%が同社のツールで制作され、数年前に開発した世界初の漫画用グラフィックツールは日本のデジタル漫画制作の標準ツールともなっている。名実ともに「アニメ・漫画のトータルソリューションブロバイダー」体制を確立し、業界の先頭集団に立つ。
とにかく技術開発テンポが速い。矢継ぎ早に新技術・新製品を発表して関連イベントに積極的に出展する。その節々で経済産業省をはじめ公的機関から表彰を受け、知名度を上げていく。そのスピーディな事業展開が同社の持ち味でもある。最近では、新たなデジタルメディアに向けたソリューション提供に力を注ぎ、第3世代携帯電話を中心に拡大している漫画配信サービスや電子書籍配信サービスで、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3キャリアへの対応を完了した。コンテンツが広がってソフトの使用が増えると、同社の売上も伸びる。膨大な市場を持つ携帯電話分野への事業拡大は、同社自体の成長を勢いづけ、名証セントレックスでの新規上場も決まった。
アニメや漫画は“ポップカルチャー”と呼ばれ、海外でも人気が高い。「日本文化の発展に貢献する」が同社の事業ビジョンだが、日本の誇るアニメ・漫画の国際戦略にも通じるその技術で、新たな成長の舞台へ躍り出るのは必然だ。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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