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2009年の記事

 

 

 

株式会社小原歯車工業

 

標準品が業界スタンダードになる場合も

業種:KHK標準歯車の製造、販売
株式会社小原歯車工業

モノ作りの中で、部品が標準化されていれば、加工でもメンテナンスでも作業が楽に進む。部品点数が多ければ多いほど、標準化のメリットが発揮される。例えば部品が壊れた場合、補修する必要が生じるが、標準化されていれば、必要部品も在庫されているため、直ぐに補修できることになる。また部品が標準化されていることでモジュール化への対応も比較的容易に行える。

株式会社小原歯車工業(埼玉県川口市)は標準歯車のトップメーカー。「KHK標準歯車」はブランドになっている。同社が標準歯車に着目したのは50年以上も前のことだという。旋盤用歯車は摩耗や欠損が激しく消耗品だった。消耗品一つ一つを注文生産でこなしていたのではコスト高になり顧客ニーズに対応できない。そこで旋盤用替歯車として標準化してしまえば、歯の部分が摩耗しても、欠損状態になっても直ぐに新しい歯車を提供できると考えた。

標準品を持つということは当然、在庫が増えることになるが、顧客ニーズに確実に応えることが出来る。同社は「30年前の歯車が損傷してもすぐに交換できる」(小原敏治社長)というほど標準歯車に力を入れてきた。今では歯の数や大きさ、形状、素材別に独自に規格化し、140品目7000種類もの歯車標準化を実現しており、工作機械から精密加工機械、精密ロボットまで、歯車を用いるものには何でも対応できるようになっている。

1社が規格化して標準品を作った場合、単に1社のみで終わらないケースがある。「業界スタンダード」として発展するケースだ。製品が多くのユーザーの支持を受ければ、当然、業界標準になる。同社にしても標準品を高い技術で作り続けた結果、市場から高く評価され、業界標準へと発展したものも数多い。業界スタンダードの製品を持つことで、企業として新たな展開が可能になるわけだ。

標準品と特注品だけではユーザーからのニーズに十分応えられなくなっているのも事実だ。標準品はレパートリーが少ないし、特注品は納品スピードに難がある。そこで同社が力を入れている分野に追加工歯車がある。ユーザーの仕様に合わせ標準品をベースに新たな加工をするもので、追加工品が新たな標準品に発展する可能性を秘めている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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