東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2011年の記事

 

 

 

近畿タクシー(株)

■「人と企業とまちを、一緒に再生する」

業種:タクシー会社
近畿タクシー(株)

神戸市長田区にある近畿タクシー(株)の森崎清登社長は阪神・淡路大震災で被災。タクシー需要はなくなり、倒産の危機に。そんな時、世話になったボランティアの人から「あとは地元の人が頑張って…」と励まされたことを契機に、自身の会社を地元のお客さまや企業、まちと一緒に再生させることを考えるようになった。

お客さまである地元の人や観光客をどこに運び、どう結ぶか?と考えていくと新しいサービスが生まれた。塾帰りの子供を送迎する「安心かえる号」、和菓子屋さんや花屋さんとタイアップした「お墓参りタクシー」、地元の名店を巡る「スイーツタクシー」「ビーフタクシー」、修学旅行生を震災跡地に案内するツアーなど、タクシー会社の枠を超えた新サービスを展開した。

「むすび役」としての本領を発揮したのが「ぼっかけカレー」。地元食品メーカーと商店街をむすび、地元で愛されている牛すじを使ったレトルトカレーを地元の新名物として開発。これは大ヒットし、別のメーカーとのタイアップで「ぼっかけカレーラーメン」も誕生し、全国発売となった。

やがて長田区では、街をあげて復興のシンボルを建てるプロジェクトが始まる。地元ゆかりの漫画家、横山光輝の「鉄人28号」を18mの実物大で建てようというもの。多くの人のつながりで、平成21年に完成。全国にその名がひろがって、鉄人28号を訪れた人は350万人にのぼる。森崎社長は、「"出会って、つながって、ひろがって"が大切。」と語る。

東日本大震災では、生活空間、コミュニティ、企業、まち、それぞれが被災し、5カ月以上が経った今も、多くの関係者が懸命に復興を目指している。長田区の取り組みから学べることは多いのかも知れない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2011年の記事に戻る