株式会社北村製作所
■「失敗は恐れるな、ともかくやってみる」
業種:産業用超音波洗浄装置製造他
株式会社北村製作所
株式会社北村製作所(新潟市、北村泰作社長)の基本方針のひとつに「積極的に行動する。ともかくやってみる。行わず、失敗せずが最も悪い。当社は減点主義は採らない」がある。創意工夫のかたまりだ。
創業は自動車の板金と修理。1936年のこと、まだ自動車が珍しい時代だ。戦後、48年には大型バス、67年にはトラックや冷凍車、保冷車の車体製作も始めた。今日、同社の大きな事業の柱と成っている車両部門だ。創業来のルーツ部門だ。創意工夫を重ね、いまや、ウイングボデー、リンボーバン、フォールディングドア、ニューブライダルカーはじめ、各種の特装車、リフト車の車体の製作に対応している。
72年に始めた産業用超音波洗浄装置は同社としては、挑戦だった。「ゼロからのスタート」と北村社長も振りかえる。失敗を恐れず、果敢に開発に挑んだ。洗浄装置のユーザーは電子部品、半導体といった目まぐるしい変化を遂げながら、好不況の激しい先端業界だ。洗浄装置の売れ行きも波打った。しかし、車両部門の好況がそれを埋め、また、車両の伸び悩みを洗浄機部門が支えるようになっていった。
もう一本の事業の柱がやがて育ってくる。84年、ふとした注文をきっかけに取り組んだ通信機器の収容箱(スタンド)だ。屋外に設置されて人が中に入って通信機器のメンテナンスを行うような大型のものだ。有線通信の中継基地用から始まった収容箱は携帯時代の急到来で大きく伸びた。通信用収容箱の開発製造には、トラックなど車体製造の伝統技術が十分生かされた。温度管理が重要な要素である通信用収納箱には、冷凍車体の開発ノウハウや、洗浄機の精密ノウハウ、温度管理技術も生かせた。
いまや、3本の柱事業がそろった。ある部門が不振でも他の堅調な部門が支えるという理想的な形が整ってきた。「ともかくやってみる」という、失敗から学ぼうとする同社の伝統精神がこれまで功を奏してきた。この敢闘精神を今後も生かし続けられるか否かに、同社の将来はかかっている。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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