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2007年の記事

 

 

 

清川メッキ工業株式会社

 

■設計力、企画力の強さ武器に新時代に挑む

業種:メッキ工業
清川メッキ工業株式会社


「日本のメッキの発祥地は福井」−清川メッキ工業株式会社(福井市)の清川忠社長はこう考えている。永平寺の近くにある二本松山古墳から金と銀のメッキが施された2つの冠が出土した。古墳は1400年も前のもの。この冠が今のところ日本で最古といわれているためだ。その福井に拠点を置く清川メッキは最先端のメッキ技術を駆使してナノメッキというジャンルを確立した。「メッキも今やミクロンではなくナノ時代に入った」といえる。

メッキは金属に他の金属の膜をつけることで防錆や防食効果を高めたり、摩耗を防いだり装飾に用いたりする。ブリキは鉄の腐食を防ぐためスズメッキしたものだし、トタンは亜鉛メッキしたものだ。出土した冠は防錆・防食よりも権力の象徴として装飾に使われたと考えられる。清川社長も「メッキの活用フィールドは多種多様」というほど奥が深い。

過去10年間で半導体デバイスなどのチップ部品は、携帯電話などデジタル機器の小型化により実装面積が約7分の1まで縮小、高密度実装が不可欠になった。そのため従来の電気メッキなどでは対応できないのは当然のことだ。さらにチップ部品などではメッキがリード線の役割を果たすので、導電性を確保しなければならないし安全性や保安性なども作り込む必要がある。清川メッキは、極小電子部品電極の「接合メッキ」技術を開発、さらに量産化をいち早く開始した。現在では0.4ミリから0.2ミリというチップ部品にまで対応できる技術をも確立している。

清川社長に、なに屋さんと聞くと「メッキ屋ではなく技術を売っている」と答える。「技術を先取りしなければ、経営も社員も仕事の面白みがない」と言うあたり技術指向は人一倍強い。この技術指向が化学技術研究所や先端技術開発センターとなって表れている。さらに、福井大学などとも連携、技術力強化に磨きをかけている。

清川社長は「研究分野は尽きることがない」という。ナノメッキの応用を考えるだけで燃料電池や人工光合成、DNAチップ、複合材料、マイクロマシンなどに拡大していくし、環境への取り組みも多岐にわたる。出土した冠のメッキは1400年後の今も光り輝いているが、清川メッキの技術も時代のニーズを先取りしながら輝きを増している。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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