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神戸天然物化学(株)

■「医薬・電機メーカーを支える「化学のプロ」」

業種:有機合成化学、バイオケミストリー、天然物化学
神戸天然物化学(株)

医薬、電機業界は最先端の技術開発を世界各国が競い合っている分野。その医薬メーカーや電機メーカーに原材料を供給する中小企業もよほど高い化学分野の技術力を持つところでないと取引相手にされない。参入すること自体、高いハードルが待ち構える。

この厳しい業界で有機合成化学からバイオケミストリー、天然物化学まで幅広い分野で研究から生産までの受託を行っているのが、神戸天然物化学(株)(神戸市、広瀬克利社長)だ。1985年に設立されこれまで、国内外の大手企業80社や大学、公的研究機関と取引実績があり、現在では「化学のプロ」として高い評価を受けている。

同社は医薬メーカーから委託を受け医薬品の原料、材料となる原薬や医薬中間体を供給。また液晶や有機ELなど電子分野向けに機能性材料を合成して供給している。いわばメーカーの「縁の下の力持ち」。では同社の強みは何なのか。それはマスター、ドクターが社員200人強のうち約半数という強力な人材を抱えること。加えてさまざまな有機化合物を、数キログラムから年間数トンの規模の幅で合成する生産体制を備える点にある。

ここでひと口に生産体制といっても医薬品関連では国が規定した品質管理基準「GMP」などに対応した特別な体制が求められる。同社はこれらをすべてクリアし、医薬原薬や中間体生産のあらゆるニーズに対応できる。広瀬社長は「顧客のニーズにこたえるだけでなくそれを先取りして提案する“なくてはならない”存在になる」ことを目指す。永年の蓄積を生かしバイオテクノロジー分野にも力を入れ、創薬開発で最先端技術も提供している。

中国など新興国は今のところ同社に追随できない。しかし今後を考えて「受託生産に加え共同開発を強化する」(同)と力を込める。共同開発し、その成果として特許の共同出願、共同保有ができれば同社にとり大きな資産になる。受託生産だけなら低コストの新興国に取って代わられる可能性があることから、こうしたリスク回避に向けても頭をめぐらす。万全を期す同社の経営戦略に隙は見当たらない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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