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2010年の記事

 

 

 

株式会社安田塗装

■施工価格をHPで開示し評判に

業種:住宅の塗装
株式会社安田塗装

製品の紹介などのため、大半の企業がホームページやブログを立ち上げている。しかしホームページを活用してビジネスを展開するのは並大抵なことではない。とりわけサービス業や請負業者はせっかくホームページを立ち上げてもビジネスに結びつかないのが普通だ。ほとんどの企業がホームページをつくったのに、ホームページへのアクセスもほとんどないといわれている。

そうした中で株式会社安田塗装(東京都豊島区)はホームページを最大限に活用した営業展開をしている。塗装会社はもともと建設会社の下請けとして生きてきた。ところがバブルの崩壊や公共事業の抑制から仕事量が大きく落ち込み、自力で新たな需要先を探す必要に追い込まれた。新築住宅の塗装は建設会社への営業が中心だが、リフォームになると、その時期を迎えた家庭を一軒一軒訪問する必要があった。

同社も飛び込み営業やチラシ配布などを行ったが、あまりにも効率が悪い。しかも全国には塗装会社がゴマンとある。同社が加盟している東京都塗装工業協同組合豊島支部だけでも20社を上回るほどだ。そこで安田塗装は安田勝利社長の子息が中心になってホームページを開設することになった。平成12年のことだ。知名度のアップとスムーズな営業展開を目指したが、モノ作り企業と異なり製品がないため、会社案内や塗装例だけ掲載しても閲覧者からの関心を集めることが出来なかった。

当時、中小の塗装会社でホームページを開設しているところは極めて少なかったため、どのようなコンテンツを盛り込めるか試行錯誤の連続だった。そうした中から生まれた一つが使用塗料や塗装規模、作業環境などをベースにした価格を例示することだった。「請負の場合、価格が不明確であり、発注者から分かりづらいと言われていた」(安田社長)。そのため、発注者の不信感を招くケースがしばしばあったという。

そこで同社では塗料メーカーの価格表や足場仮設などの工事コストなども開示することにした。塗装業界では異例だったこともあり、評判になった。評判があがるとともに見積もり依頼が急に増え受注拡大につながることになった。「ホームページ掲載の価格はあくまで参考」(同)だが、情報公開の姿勢が評価されたものだ。さらに使用塗料の種類、職人の紹介、作業現場の写真なども次々に掲載した。同社の業容はホームページでの価格の公表と口コミが相まって着実に拡大している。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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