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2011年の記事

 

 

 

 

黒川プレス工業(株)

■「自慢できる会社へ奮闘する2代目社長」

業種:金型設計、金型製作、精密プレス等
黒川プレス工業(株)

山形県米沢市はものづくり中小企業が集積していることで知られる。昔、「米沢織物」が盛んだったころに培ったものづくり技術が生きているのではとも見られる。ただ他の地域の中小企業と同じように経営は代替わりの時期にあり、事業承継にからむ様々な課題が地域の中小企業を取り巻いている。

昭和44年に設立された黒川プレス工業(株)は先代社長から事業承継した2代目の黒川清之社長が、平成7年から経営のかじ取りをしている。当時、突然先代社長に呼ばれて「お前やれ」と後継社長に指名されたとき「息子だからやるだけで抱負もないしビジョンもなかった」と振り返る。もちろん謙遜が入っているが、「社員がモラールアップするような、もう少しうまいバトンタッチのやり方がなかったか」と思う。

同社は通信機器、計数機器などの単発プレス工場として創業したが、現在は金型の設計製作から受注し、スポット・タップ・カシメ加工とその付帯作業まで一貫して行い各種精密スイッチ、車載電装品、カードメモリー、携帯電話、デジタルカメラなどの精密プレス加工を幅広く手掛ける。自社の目標について「トータルにサービスを提供し、お客様に喜んでもらえる企業にしたい」という。

さて相談相手が少なかった黒川社長はある時、近所の中小企業の社長から中小企業基盤整備機構のことを聞き、中小企業大学校仙台校で短期の研修を受けた。このことがきっかけで平成21年度、米沢地域で同機構などが行った米沢ものづくり若手経営者塾に参加した(現在は地元の自主事業として継続中)。そこには地域の中小企業が19社も集まり講師の話はもとより、他の経営者との交流で様々な刺激を受けた。同社長は「できればもう少し早く経営を学びたかった」とも語る。

一般に2代目、3代目の中小企業の社長にとっては、先代社長や先輩幹部が相談相手となるのは案外少ない。「一番損するのは社員」ということにもなりかねない。同社長は今、「お客様第一」に加え「みんなが幸せを求め、自慢できる魅力ある会社」を経営理念に掲げる。そして「中国でもどこでもなくこの米沢地域で仕事をしたい。それではどうすればいいのか」を考えながら明るく楽しい会社を目指し奮闘する。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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