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2010年の記事

 

 

 

極東産機株式会社

■畳・襖製造機器で業界の近代化に注力

業種:畳・襖製造機器の製造販売
極東産機株式会社

日本の住宅に最も関連のある畳の製造機器を手掛けている極東産機(兵庫県たつの市、頃安雅樹社長)は、1948年創業の老舗。畳づくりは職人の仕事という過去の常識を打ち破り「職人の手作業を自動化・省力化して作業の効率化を追求する」という開発コンセプトを長年貫いてきた。

これは職人の伝統技術とコンピューターをはじめとする先端技術をうまく融合させるという作業だ。81年に開発したコンピューター式畳自動製造システムは畳製造に大きな革命をもたらした。さらに93年には採寸、割り付け、裁断など畳生産の全自動化を完成した。「未経験の人でも伝統的な畳を高精度に作れる」ことになった。

同社は機械を作って売るだけではなく、懸案だった「畳業界の体質改善」という業界の経営問題にも目を向けた。「畳離れが進んでいるといわれるが、畳の良さをPRしないからだという面もある」、「総世帯数の約50%がリフォーム適齢期なのに、内装リフォームで和室から洋室に変わっては何にもならない」(頃安社長)とし、畳店の変身を説いた。

97年からは全国でセミナーを開き畳店の構造改善の必要性を語りかけた。「畳店こそが営業力をつけ工事もできる小売店に変わらなければ」(同)とし、「全自動化された畳製造機を導入してできた空き時間を営業に振り向けよう」(同)と呼び掛けた。

同社のシステムを導入した畳店で構成するJCS(日本コンピュータ・システム)研究会も設置、04年からは「コンピュータ・システム」の頭文字を「カスタマー・セイフティー、サービス、サティスファクション」に改め新たな取り組みを見せている。メンバーは約600社を数える。

畳だけでなく襖業界の近代化にも取り組んでいるほかインテリア関連機器を提案したり、蓄積したコア技術を生かしハイテク産業向け生産設備分野にも乗り出した。現在売り上げの25%が畳関連、インテリア関連が60%。蓄積した技術を生かす分野は広がりつつある。「産業界を通じ社会に貢献する」という社訓は見事に実践されている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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