(株)リーベンス
■「電子お薬手帳で、かかりつけ薬局を後押し」
業種:電子お薬手帳サービス
(株)リーベンス
かかりつけ医ならぬ「かかりつけ薬局」なるものが注目され出している。複数の病院を受診する患者の服薬情報を一元的に管理する薬局。それがかかりつけ薬局で、現在、厚生労働省が、医療費の適正化や在宅医療促進の観点から、同薬局の普及に力を入れているところだ。そうした流れを踏まえて、かかりつけ薬局をターゲットとする事業を立ち上げたのがリーベンス(東京、増田光弘社長)。同社では“電子お薬手帳”のサービス展開を通してかかりつけ薬局の機能アップに一役買い、ひいては「地域医療介護連携システムへと発展させる」(増田社長)と大きな青写真を描いている。
リーベンスは大手IT企業でインターネット関連事業などに取り組んだ増田社長が、薬局と患者を結ぶシステムの実証実験の経験をもとに、平成25年10月に立ち上げた。主力事業は「ホッペ(hoppe)」と名付けた、スマホ・ケータイを活用する電子お薬手帳サービス。ホッペは調剤・服薬履歴や血圧・体重をはじめとする健康情報を、患者と薬局が共有できるようにして、「患者が薬剤師の的確なアドバイスが受けられる」「薬物アレルギーや副作用を防止する」「アラームにより、薬の飲み忘れをなくす」などを可能にする。
病院や診療所近くの「門前薬局」から、身近な「かかりつけ薬局」へ…。厚労省では複数病院の受診時に起こりやすい薬の重複や飲み残しを減らすことで医療費を抑え、併せて在宅医療を促進するといった狙いから、新たな方向性を打ち出した。全国5万7000の薬局を2025年までに「かかりつけ薬局」に再編する検討も進めている。そうした激変環境にある薬局に対して、「ホッペを生き残りツールとして無料で使ってもらう」(増田社長)のが同社の戦略。
「無料で使ってもらう」を実現させるのが、広告収入が基本というビジネスモデルだ。大手広告代理店とのタイアップに基づき、製薬会社などのスポンサーを集め、薬局、患者の双方に発信する広告を主な収入源とするもので、「大手製薬メーカー数社が手を挙げている。薬局の方は5000店舗でのホッペ採用が固まっており、年内1万店舗を目指している」(同)と、プロジェクトが着々と進んでいる状況を説明する。
同社では薬局と患者をつなぐホッペの延長線上で、患者を中心に病院・クリニック、介護事業者など医療・介護関係者を結びつけ、情報共有を推し進めて、より良い医療・介護につなげる「地域医療介護連携システム」の構築も視野に入れている。同システムについて「ある県で医師会や大学と準備中」(同)とのこと。超高齢化社会を迎え、医療・介護のあるべき姿は大きく変わっていく。そんな変化を先取りするホッペ事業の商機は小さくない。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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