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元気な企業(最新)

2009年の記事

 

 

 

株式会社ラインワークス

 

溶接現場の経験を生かし、優良企業に成長

業種:溶接支援ロボットやポジショナーなどの設計、製造、販売
株式会社ラインワークス

もの作りメーカーの生産技術者が、独立して会社を立ち上げるケースはままある話である。しかし成功して会社を何十年も維持していくのは、そう多くはない。現場をよく知っている技術者が、起業して現場で使いやすいマシンを作るという立場は同じ。一体どうすれば勝ち組に入ることができるのだろうか。

中堅建設機械メーカーで溶接の生産技術員として勤務していたラインワークス(千葉市)の田村修二社長は、溶接現場の過酷な作業環境を前に「溶接の自動化時代が必ず来る」と確信していた。1981年の創業当時の話だ。まず、この強烈なモチベーションが同社を大きく成長させる最初のきっかけになる。 その後、溶接支援ロボットやポジショナーなどの設計、製造、販売で業界をリードする企業になっていくのである。

同社の強みは、何と言っても田村社長が溶接の現場技術員としての経歴を持っていることだ。「どう設計すれば使いやすいか肌でわかる」(同)というのは、現場経験者でないと出てこない言葉。ユーザーの視点に立ったアイデアを考え出し、独創的な製品開発ができるという点が最大の「売り」である。

ただ、これはユーザーの言いなりになってもの作りをすることではない。「我々はメーカーであって下請けではない」(同)という技術者としての誇りと「開発提案型の企業を目指す」との思いは誰よりも強い。同社の売り上げは4割がセミオーダーで、残りの6割が完全オーダーメード。従って生産性向上のためにも「いかに効率的に生産するか」(同)が求められてくる。そこでITを使った生産管理体制の整備を強力に進めている。

さらに「パイが縮まるのは確実な国内にとどまっていても成長は望めない」(同)と、中国に自動溶接システムの製造・販売会社を設立。これらの戦略のお陰で創業以来黒字経営を続けている。しかも経営力と技術力の高さから、(社)中小企業研究センターから08年に「グッドカンパニー大賞優秀企業賞」を受賞、経産省からは06年に「第41回IT経営百選奨励賞企業」に認定されている。

現場経験を踏まえて田村社長は、「ユーザーの視点」と「メーカーとして譲れない矜持」という2つのテーマを徹底的に追求し、これを両立し、融合させた。これこそが、今日の発展の決め手になったと言える。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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