身延竹炭企業組合
■竹炭づくりで地域おこし!山梨県“竹取の翁達”の新事業
業種:竹炭の生産・販売
身延竹炭企業組合
木炭とは違った特性が人気となっている竹炭。その竹炭生産を「高齢者の生き甲斐づくりと地域おこしに結び付け、新規事業として短期間に軌道に乗せることができた」と明るい表情で話すのは、産地化のモデル事業と評判の高い「身延竹炭企業組合」(山梨県身延町、組合員41人)の片田理事長。
日蓮上人ゆかりの久遠寺に近い山梨県の身延町は、周辺に竹林が広がる山間地域。近年は過疎化が進んで竹藪の状態にある。この荒れた竹林を再生しようと、14年程前に片田理事長ら有志が竹林の間伐と有効利用に立ち上がった。素人の竹炭焼き研究から始まって製品づくりを進め、それが久遠寺の名物お土産品になったのをきっかけに、平成11年に中小企業等協同組合法に定める企業組合を設立し、竹炭の生産・販売事業に取り組んできた。
現在では、竹炭の生産地は全国に散在するが、同組合はメンバーの平均年齢が70歳という高齢者集団。もともと竹炭づくりとは無縁な人達だが、強い地域貢献意識が共通点という。仲良しクラブやボランティア活動という甘えを排除し、日本一の竹炭を目指して作業を分担して、ちゃんとした報酬を支払うシステムを確立している。地域の資源である竹林の再生とお年寄りの生き甲斐づくりを両立させているところに、同組合の経営の特徴がある。
竹炭は、本来の燃料利用に加え、臭いや湿気、汚れを吸着して水や空気をきれいにする清浄効果が高く評価され、花粉症やシックハウス対策、土壌改良、電磁波防止も高いなど話題性に事欠かない。また、炭焼きの副産物である竹酢液も高い抗菌・防腐作用が注目されている。それらの竹炭製品を次々とヒット商品にしている同組合の知名度も全国的に広がっているわけ。
同組合は、次のステップとして炭焼きの体験ツアーの受け入れや竹炭製品専門店の開設、地域環境に合った野鳥とのふれあい活動など「竹炭癒しの里」構想に意欲を燃やし、この分野の国際交流に夢をかける。メンバーは自らを“平成の竹取の翁達”と称し、生き生きとしている。そこに高齢化社会のしたたかな対応と適正なビジネススタイルを垣間見る!
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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