(株)マルサ斉藤ゴム
■「笑顔ふくらめ、天までとどけ」
業種:ゴム風船、フィルムバルーン等風船総合メーカー
(株)マルサ斉藤ゴム
東京スカイツリーの建設が進む東京・墨田区に風船づくり一筋の企業がある。昭和25年創業の(株)マルサ斉藤ゴム(東京都墨田区:斉藤靖之代表取締役社長)だ。斉藤社長の祖父が、独立して立ち上げた企業だ。かつて、駄菓子屋に置かれてあった風船や水を入れて遊ぶ水風船は、子供たちに大人気。ふくらませて楽しい、また、割れてしまうのも楽しいものだ。
斉藤社長の父の代では、キャラクター製品を数多く製造していった。キャラクターや文字を風船に印字するのは、一度ふくらませて、特殊なインクを使い、印鑑をつくように作業する。ヘアードライヤーで乾かすと同時に空気を少しずつ抜いていく。この作業を人の手で一つ一つ行っている。
自社で製造工場は保有していない。銚子で製造している企業とタイアップしてきた。しかし、手作りということと、後継者難で大量に製造することができなくなり、今ではタイの工場とも提携している。約2年前に斉藤社長にバトンタッチしたが、今は子供の数も減った上、駄菓子屋のような店もほとんど見なくなった。
厳しい時代ではあるが、光も見えている。障害者施設や老人介護施設中心に「風船バレーボール」というものが流行しはじめている。直径40センチの風船の中に鈴を2個入れる。1チームは、障害のある選手3〜4名とない選手2〜3名の計6名で構成し、風船が自コートに入ってから、チーム全員が風船にタッチした後で10回以内に相手コートにボールを返す競技だ。
必ず全員がタッチすることで、楽しそうに声を掛け合っている。風船が、単なる遊び道具ではなく「コミュニケーションの媒体」になっている姿を見た斉藤社長は確信する。「風船は、人を笑顔にできる」。昨年は、母の日に箱から空けると風船が飛び出てくるプレゼントセットも用意して販売した。(株)マルサ斉藤ゴムは、風船の可能性を信じ、今日も邁進している。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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