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2009年の記事

 

 

 

明文堂書店

■先手先手で飛躍する地方発の書店経営

業種:書籍販売
明文堂書店

出版業界は活字離れの影響を受け、今や万年不況の代名詞。これを商品として売る書店の経営も極めて厳しく、中小書店は廃業が相次いでいるのが実情だ。この中で毎年着実に売り上げと利益を伸ばしている書店が北陸地方にある。

「ライバルはお客様」と言い切る清水満社長が率いる、明文堂書店(富山市)である。同社長は「お客様のためのサービス、店舗作りに心がけ、いつも新しいものに挑戦している」という。「お客様の望むことが本当にできれば、必ず喜んでもらえる」とも語り、本当の戦いは「毎日スタッフ一人ひとりがお客様にどんなサービスができるかだ」と、経営の基本を披露する。

東京を中心とした首都圏や他の大都市圏でも書店経営はいずこも苦戦を強いられている。北陸地方で順調な発展を遂げている秘密は、こうした顧客本位の考えを業界としていち早く実行しているからだ。例えば飛躍のきっかけとなった富山県朝日町の「朝日店」。1986年に駐車場とビデオ、CDのレンタルを備えた郊外店第1号としてスタートした。CDを加えた店舗は富山県内では初めてだった。

その後同県の東部の市町を攻めてから富山市へと店舗を拡大。97年には当時北陸最大の売り場面積を持つ書籍専門館をオープン。図書館のような背の高い書棚とカフェを併設したり、店内に椅子やソファを配置するなど時代の先端を行く書店を開拓した。また、2007年 6月、金沢市にオープンした「金沢ビーンズ」は豆型のユニークな外観と80万冊に上る商品量で書店業界の注目を集めている。

現在の店舗数は16店舗で首都圏にも2店舗あり、2013年までに30店舗、年商 160億円を目指す。販売面では、トーハンが取引先店に提供する書籍ネット販売「e−hon」会員獲得で実績を挙げる。同書店は先手先手で顧客のニーズをとらえたサービス展開で成長したが、今後の競争はより厳しい。新たなニーズをどう把握し顧客の心をつかまえるか、目を離せない。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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