明大株式会社
■「特殊織物で明日をつむぐ」
業種:特殊織物の開発生産
明大株式会社
国内の繊維・素材メーカーの多くがアジアなどの新興国に生産拠点を移し、海外に販路を求めざるを得ない厳しい状況に追い込まれているなか、特殊織物の開発生産で独自の分野を築き、業界をリードしている企業がある。
明大(株)(岡山・倉敷市)は昭和38年創業の特殊織物の総合メーカーである。創業以来「多品種少量生産による高付加価値型」の製品開発をモットーに、徹底した品質管理のもと、織物から縫製、出荷までを国内の自社工場で一貫生産してきた。機械設備が注文に応えられなければ、その開発までも行うという徹底ぶりである。
主力製品のベルトスリング「ロックスリング」には一般繊維とアラミド繊維の2タイプがあり、軽量物から超重量物、耐熱・耐薬品の特殊用途まで幅広い商品展開により、トップメーカーとして他社の追随を許さない。また、土木建築向けの細幅・広幅織物は、織機や製造ラインの問題から一社生産できる企業がほとんどなく、両方に対応できることが最大の強みである。細幅織物は耐震補強用ベルトとして、広幅織物はコンクリート施工用布製型枠として用いられる。
同社では20年の研究期間を経て、ついに世界初の四軸織物「テトラス」を完成。世界の産業シーンに衝撃を与えた。タテ糸とヨコ糸の2軸に斜め2方向からも糸を交差させる技術を確立し、抜群の寸法安定性と引裂強度を得た夢の織物を実現した。カーボン繊維やアラミド繊維で作る四軸織物は多くの分野から注目されている。
社員の一人ひとりが、"開発スタッフ"であり"製造スタッフ"であるとの高い意識を持ち、製品開発にあたっては各自が柔軟な発想で意見を出す。小河原敏嗣社長は、「当社の従業員は、どんな仕事に対しても常にアイデアを出すことが習慣づいている」と誇らしげだ。こうした職場環境の中からオンリーワンの技術が生み出され、リーディングカンパニーとして業界を切り開いていく。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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