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2004年の記事

 

 

 

 

ミナミ産業(株)

 

地元産品を活かして豆腐の新規需要を掘り起こす!
業種:独創的な手作り豆腐鍋を開発
ミナミ産業(株)

日本人の食卓の定番となっている豆腐。もはや成熟市場とも言われているが、「多様化する嗜好を掘り下げ、新味を生み出すことで新たな需要が喚起できる」と語るのは、豆腐市場を掘り起こし、独創的な手作り豆腐鍋を開発した「ミナミ産業(株)」(三重県四日市市、従業員20人)の南川(みなみかわ)社長。

同社は、元々、昭和23年創業の豆腐を作る機械の専門メーカーだった。半世紀余の間、多くの豆腐店をお得意さんにしてきたが、近年は豆腐の殆どがスーパーや生協、コンビニなどで販売されるようになり、豆腐店が激減したため、新たな顧客開拓を余儀なくされた。生き残りをかけて開発したのが「萬来(ばんらい)鍋」という手作り豆腐鍋であった。

「萬来鍋」は、言わば卓上の簡便な土鍋。ここに専用の豆乳と天然にがりと水を入れてかき混ぜ、固形燃料で15分ほど加熱するだけで一人前の豆腐が出来上がる。発売したのは3年程前。当初は、出来たて豆腐を好むホテルや旅館、外食店など、業務用が主体だったが、最近は通信販売やネット販売を通じて家庭用も漸増傾向にある。更に、ゆず、しそ、とろろ、抹茶などを素材にした創作豆腐のメニューも企画中だという。

実はこのヒット商品。地元産品の特性を活かしているのが特徴。鍋は軽くて耐熱性に優れる四日市の焼き物「萬古焼(ばんこやき)」、豆腐の原料の大豆は、甘味があって凝縮性も良い濃尾平野産の「フクユタカ」がベース。それらの専門業者と連携し、地元企業の異業種交流から生まれたものである。

地元連携の商品ではあるが、その市場は全国区である。一般に、日配食品の豆腐はエリアが限定されるが、萬来鍋を使用した手作り豆腐だと、広域的な販売が可能である。むしろ、この新商品の需要開拓は、イコール地元産品のPRと用途開発を促進する“相乗効果”を生んでいる。

現在、豆腐市場はおよそ5,900億円市場とも言われる。確かに自家製造の豆腐店は減少しているが、豆腐自体の需要は減ってはいない。「独創性を活かして豆腐の“ニッチ”分野を広げていく」と語る南川社長。同社のチャレンジはこれからも続く。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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