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2006年の記事

 

 

 

 

 

有限会社南那須鶏卵

 

■倒れた父のために作った酢卵が全国で大評判に

業種:鶏卵業
有限会社南那須鶏卵

平成15年の鳥インフルエンザの影響を受けて鶏卵業の業況が悪化する中、「卵だけでは難局を乗り越えられない」と積極的な商品開発に取り組む企業がある。それが栃木県那須烏山市にある有限会社南那須鶏卵(濱田正社長)だ。

父の病気を治した酢卵。健康に強い関心を持つ濱田社長は、古くから民間薬として使われてきた酢卵に着目し、オリジナル酢卵の開発に向けて日夜研究に取り組んでいた。そんなある日、濱田社長の父親が、突然、脳溢血で倒れ寝たきりとなってしまった。開発した酢卵を寝たきりの父親に2年間飲ませ続けた結果、病状は奇跡的に回復し起きあがれるようになった。この出来事が濱田社長に大きな自信を与えた。

研究の場であるインキュベーションとはいえ、酢卵は独特の臭気と苦味があるだけでなく、強酸のため消化器を傷めやすいという問題があった。こうした問題を解決するために研究の場として利用したのが地元の烏山商工会が運営しているベンチャープラザ烏山である。また、同商工会の経営指導員を通じて紹介された宇都宮大学と産学官連携が実現したことで、飲みやすい酢卵が完成したのである。

全国展開に向けて・・・こうして開発した商品を、平成16年秋に池袋で開催された「全国むらおこし展(全国商工会連合会主催)」で初披露した。消費者の全国的な反響が自信となり、平成17年秋に東京ビッグサイトで開催された「東京インターナショナルギフトショー」に出展した。この展示会でも当初の予想を上回るバイヤーからの引き合いを受けた。

全国へ展開するには信用力をアップさせる必要があると経営指導員の指摘を受け、平成16年に同社はこの酢卵の販路拡大と生産体制の確立をテーマに経営革新支援法(現:中小企業新事業活動促進法)の認定を受けた。また、平成17年12月には、烏骨鶏鶏卵とキビ酢を原料とする栄養機能食品の開発をテーマに新連携の認証を受けた。一鶏卵業の生き残り策を超えた動きとしても注目したい。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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