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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)モビーディック

 

オンリーワン戦略に徹する“専門企業”のパワー!
業種:マリンスポーツ用ウェットスーツ製造
(株)モビーディック

「我が社の商品は極めてニッチな市場が対象だが、世界のオンリーワン商品が主体。その専門性が社内の技術力を育て、好不況に左右されない企業基盤につながっている」と、淡々と話すのはマリンスポーツ用ウェットスーツで国内トップシェアを誇る(株)モビーディック(宮城県河南町、従業員79人)のリーダー、保田社長。

同社の創業は1963年。先代社長が漁業の盛んな石巻市で潜水器材ショップを開店したことに始まる。当初は販売専門だったが、お客の商品ニーズを聞くうちに、漁業用ウェットスーツをオーダーメイドで自社製作し始め、73年に保田社長が2代目として経営を引き継いでからは、本格的にメーカーへ転身した。82年にはマリンスポーツ分野に進出、製造と販売の一貫体制を確立し、自社ブランド商品を増やしていった。

現社名は、米国の作家メルヴィルの小説「白鯨」に登場する巨大鯨「モビーディック」に由来する。保田社長が学生の頃、三陸沖に潜った際に出会ったマッコウクジラの大きさに感動し、この時の感動がウェットスーツにかける大きな情熱となった。

だからこそ、漁師やダイバーなど、プロの厳しい注文に応える努力を重ね、商品開発に心血を注いできた。その結果、国産初のファッショナブルなドライ(完全防水)スーツの商品化に成功し、これがウインドサーフィン界に大受け。次いで、デザイン力を生かしたウェットスーツを発表したところ、今度はスキューバダイビングやジェットスキー族に人気を得て、全国的に販売網を拡大、一気にマリンスポーツ用ウェットスーツのトップメーカーの座を獲得するに至った。

以降、新市場の“創出”に向けて、レジャー分野以外の商品開発にも取り組み、近々、海上保安庁や消防庁関連のレスキュー隊用スーツ、海難事故時に救援隊のダイバーが使用する汚染環境用潜水服などの業務用商品がデビューする予定である。ここでも狙いはオンリーワン商品の展開にある。

今後は「勢いだけでなく、専門能力を発揮できる社内体制を再構築したい」という保田社長の新たな挑戦が始まる。決め手は専門化へのピンポイント戦略だ!


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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