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2012年の記事

 

 

 

木工房蔵

■「同じ時を刻む3連時計でブレイクスルー」

業種:オーダー家具製造
木工房蔵


平成22年秋のある日、オーダー家具を手掛ける木工房蔵(福井県越前市、竹内良介社長))に1本の電話が入った。急いで3つの時計を作って欲しいという。10年ほど前からネットによる木製時計の注文を受けていたが、一度に複数個の依頼は珍しい。限られた予算と時間の中で何とか要望に応えようと知恵を絞り、何かに導かれるように思い立った竹内社長は、工房にあった1枚の板材を3つに切り分けて作った時計を納品。これが同社を大きく変えることになる。

「時計は結婚式で両親へ贈る記念品。まさか木目が繋がった3つの時計が届くとは思ってもいなかった」と感激の電話が入り、後日、新郎新婦とその両親が3つの時計をそれぞれ手にして並んだ結婚式の写真が届いた。喜びと幸せにあふれた6人の笑顔に、先細りするオーダー家具の打開策を模索していた竹内社長は、新しい商品の誕生を確信する。

新ブライダルギフト商品「3連時計」は、「Toki−musubi」の名で結婚式場やブライダル情報誌、ネットを通じて、2011年1月から販売を本格開始。「両親に手をかけた記念品を贈りたい」との思いに応えて企画した「手作り教室」もヒットし、「昨年1年で5000組・15000個を販売、従業員も30人まで増やした」(竹内社長)という。

一方で、「アイデアが命の、誰にでも真似のできる商品」(同)であることから、時を置かずに特許を申請し早期審査制度により1年で特許が下りた。更に、中小機構北陸本部や地元商工会議所などのサポートにより、国の「農商工等連携事業計画」の認定を受け、商品展開や販売拡大にも弾みがついた。8月には東京・銀座に「手作り教室」を併設したショールーム「木の暮らし銀座店」をオープン。更に大阪、九州と全国展開を計画しており、竹内社長は「結婚式の両親への贈物市場でシェア1位をめざす」と意気込む。

平成23年3月の東日本大震災は、家族の絆を改めて考えさせることになり、「結婚式の日から家族が同じ時を刻む3連時計」は、結婚する若者達の心をしっかりと掴んだ。依頼主の要望に何とか応えたいとの真摯な気持ちから生まれた3連時計が、同社にブレイクスルーをもたらした。

木目が繋がる三連時計 公式通販サイト 木の暮らし


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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