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2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)モリシタ

 

中小企業経営の究極の課題!−後継者育成−
業種:手帳・文具類製造
(株)モリシタ

二代目、三代目経営者にとっては受難の時代である。現場経験もないまま、ある日、突然会社経営の全てを任され、むやみなリストラを行って人材を失い、果ては倒産にまで追い込んでしまう。現社長にしてみれば、自分と同じ苦労はさせたくないとばかり、子息を大学まで出すのは良いが、経営者としての訓練という“必要な苦労”まで取り上げてしまう。

そんな中、「後継者はいくらでもいる」と語るのは、東大阪市で手帳・文具類を製造する「(株)モリシタ」の森下社長。自身が受講した中小企業大学校が気に入り、同社で働く夫人、子息をはじめ、何と社員全員を大学校の研修に派遣し、経営を学ばせている。「社内で経営の話が普通に出来る。経営者は孤独だというが、うちの会社には当てはまらない」と森下社長は断言する。

2年前、長男を約10ヶ月間の経営後継者コ−スに派遣。森下社長は「私も後継者。後継者は、自分が未熟だから会社を潰してしまうのではないかと常に不安に悩まされるもの。不安を無くすには変なプライドを捨て、恥をかき、何でも聞いて、謙虚に学ぶしかない。朝から晩まで恥をかくことで、不安が自信に変わる。自信が付いたら面白いもので、逆に分からない事を進んで聞くようになる。そうなったら強い」と当時を振り返る。

この秋から、次男も経営後継者コ−スに派遣する予定。森下社長は「不景気だからこそ背水の陣で勉強して来い!とハッパをかけている。後で知るより先に知れ!と導いてやるのが親の務め。親子兄弟で経営談義をする日が待ち遠しい」と、今から1年後の姿に期待に胸を膨らませている。

森下社長自身も熱心な勉強家。「私も年中大学校に通っている。経営理論は一回や二回では身に付かない。寮に泊まり、他社の若い人と議論をし、酒を酌み交わすのも楽しみの一つ」と言う。

後継者育成。「産む苦しみ」でもあり「育てる楽しみ」でもある。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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