日本ハルコン(株)
■「大手と渡り合う技術力」
業種:セキュリティーゲート専門メーカー
日本ハルコン(株)
脱サラをして起業しようという、独立心おう盛な人は今も昔も存在するが昨今は、中高齢者や定年退職者の中にこうした動きが目立つという。では1970年代にかけて「50歳で起業したい」と大企業で働く中で思い続け、当初見込みをややオーバーしたものの、52歳でついに実現させ、現在大企業に伍して市場で堂々と勝負している中小企業を紹介しよう。この事例はさしずめ、脱サラのハシリといえるかも知れない。
設立が昭和54年のセキュリティーゲートの専門メーカー、日本ハルコン(株)(長野県佐久市、岡本源生社長)がその企業。セキュリティーゲートは平成13年9月に起きた米国での同時多発テロ以降、日本でも導入が加速し、今では民間企業や公共機関でも数多く導入されている。岡本社長は自動改札機や発券機を手がける大手メーカーの研究開発センター長という役職から独立した。
同社の売りは技術力とデザイン力。ゲートの形式は使用目的によって異なるが、フラップ式や引き戸式、金属の棒を押して入場する形式などがある。これらすべてのタイプを自社で設計し販売まで手掛けるのは業界で同社だけ。セキュリティーゲートの市場規模はシステムも含め年間50億円程度といわれるが、同社を含めた4社でほとんどのシェアを占める。
ただ同社以外の3社はセキュリティー機器全般を扱う上場企業。しかし、ゲート内部の機構から筐(きょう)体、ゲートを制御するハードウエア、制御ソフトなどの設計を自社で賄う技術力は他社からも一目置かれる。従業員約30名のうち約半数が開発技術者。売上高の約20%を研究開発費に充てるという徹底ぶりだ。
デザイン性も優れており、スリムゲート「SFGシリーズ」はゲート側面にガラスを使用し、それまでの無骨なゲートのイメージを一新、平成19年にグッドデザイン賞を受賞した。「顔認証ゲート」でも認証速度を大幅に短縮した製品で評価が高い。設計、製造、保守などをすべて自社で行い、時間やコストを抑え迅速にカスタマイズに応えることができることが、日本ハルコンの競争力を高めている。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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