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2009年の記事

 

 

 

中田食品(株)

 

日本の味、心の味を伝えたい

業種:梅干し製造
中田食品(株)

「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」菅原道真が京を追われ太宰府に左遷される直前に詠んだ和歌です。その梅が、主を恋しがって京の都から一晩にして道真の住む太宰府の屋敷の庭へ飛んできたという「飛梅伝説」も知られています。平安の時代から梅は日本人に愛され続けてきました。

梅干しといえば「紀州南高梅」。昭和25年に和歌山県上南部村(現みなべ町)の「梅優良品種選定会」が発足し、は地元の南部高校園芸科の生徒が選定調査に協力しました。選定会で1位になったのが地元の高田氏が栽培した梅でした。ブランド名は「南部高校」の略称に加え、「南部の高田梅」の略称にもある「南高」とされました。以来、南高梅は日本全国に知られるようになっています。

梅干し製造は昔から変わりなく収穫、塩漬け、天日干し作業の工程をたどります。収穫はちょうど今の時期、そういえば梅雨は梅の雨と書きます。夏の天日干しは猛暑の中、三日三晩の土用干し、人の手で一粒一粒裏返していきます。

和歌山県田辺市の中田食品(株)は創業以来一世紀、今日も一粒一粒丹精を込めて梅干しを製造しています。平成9年の創業100周年の年には、天皇皇后両陛下が本社工場をご天覧されました。また、平成21年「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれています。

同社の製法の中でも梅干しの規格、品質は勿論、特に「調味漬け込み」の過程が重要で、その漬け込み液が梅干しの味を決める、と言っても言い過ぎではありません。また、製品開発、研究開発も重要視していて、この結果、昔ながらの味、よりまろやかな味、ハチミツ入りの梅干しに減塩梅干しと顧客のあらゆるニーズに応える製品を世に送り出しています。

また梅産地だからこそ可能にした完熟南高梅を仕込んだ「紀州の梅酒」も好評で、国内はもとより海外にも出荷されています。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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