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2011年の記事

 

 

 

 

洋食堂 なつ家

■「洋食屋がトマトケチャップ販売に挑戦」

業種:健康食品製造・販売
洋食堂 なつ家

北海道の洋食レストランが自家用にトマトケチャップを作り料理に使った。トマトの持つ本来の味を邪魔しない、シンプルなうま味と甘さがお客の評判を呼び、それでは、と商品として外販することにした。どうやって売ればいいのか手探りの状態から始まり、今何とか全国に販売を広げようという構想が持てる状態になった。この洋食屋さんの挑戦が静かな話題を集めている。

「洋食堂 なつ家」(小樽市、若松信宏代表)がその話題の主である。4年ほど前、知人が北海道に戻り農業を始めた。その農家でトマトを栽培してもらい料理の材料に購入。そこでトマトケチャップに挑戦し素材を探した。豊富な資源の中から厳選して高級ミニトマト「あいこ」という品種を選び、生産農家と連携して100%道産素材を使用したトマトケチャップを作りあげた。

小樽市を含む北海道後志地区はミニトマト生産で全道1位、大玉トマト生産でも3位というトマト産地。素材に活用したのは規格外で流通に乗らないトマトを有効活用したもの。外販するには「まず原材料の確保が大事だが、同じ品種でも味に違いがあるし、また、作り手によっても味が変わってくる」(若松代表)ので細心の注意が必要だ。だが何といっても「一番偉いのはトマトだ」といい、本来持つ素材そのものを生かしてあげるという発想で作っている。

外販にあたっては中小企業基盤整備機構北海道支部の農商工連携事業を活用した。東京ビッグサイトでの展示会出展などを通じ、味の評価は高くさらに自信を持った。ただパッケージデザインについて改善の声があったことから専門家に相談し、このほど完成を見た。今後「各県に1店ぐらい、地域で味にこだわる食品を扱っている店に商品を置いてもらうのが目標」という。

「レストランだからできることといったらレシピの提案。こうやったらおいしかった、などという情報交換の場とその店を位置づけたい」。さらに商品を作る人の顔が見える、また消費者の顔も見てお互いがつながっていく、そして何より「楽しくなければ意味がない」とも。―こんな地道な活動が実を結んでいけば地域経済に及ぼす影響もさぞ大きくなるだろう。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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