東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2003年の記事

 

 

 

 

 

(株)ナビット

 

■主婦社長が切り拓く!未開の“マンナビ”市場
業種:人を目的地まで誘導する情報サービス
(株)ナビット

「車の行先を案内する地図情報システムはカーナビ。我が社は人を目的地まで誘導する情報サービスが本業なので、マンナビ(マンナビゲーション)の会社と称している」と、新造語で自社事業をアピールするのは、(株)ナビット(東京都世田谷区、従業員18人)の女性リーダー、福井泰代社長。

首都圏を走る地下鉄などのホームの柱を見ると、どの車両に乗れば乗り換え口に一番近いかが一目で分かる便利な案内ポスターが貼ってある。「乗り換え便利マップ」という案内図である。これを制作しているのが同社であり、考案したのは福井社長本人である。

福井社長が、結婚を機に専業主婦となった頃は、子育てをしながら発明に凝り、おしゃぶり防止手袋など、育児商品を幾つも考案するアイデアママであった。1996年の夏の暑い日。子供を乗せたベビーカーを押していた福井社長は、JRのある駅で、エレベーターを探してホームの端から端まで歩き回り、迷ってしまったという。生まれたばかりの子供がぐったりしている姿を見て、その不便さを痛感。この時に駅構内の案内図を思い立ち、それから5ヶ月間、およそ250もの地下鉄駅を自ら調べ歩き、遂に「乗り換え便利マップ」を完成、これが大ヒット商品となり1997年に起業した。

会社設立後も“地図に載らない情報”を収集し、交通と地域に特化したマンナビの情報提供に徹している。交通機関に関わる多様なデータベースを主体に、バリアフリーマップや地下街マップ、観光案内などの便利な情報、更に交通規制の実態調査や地域ごとの空き地・路線価、現金自動受払機(ATM)設置場所の調査なども請け負う。これらの取引先は鉄道、出版、地図ソフト、携帯電
話コンテンツ制作会社など、およそ100社にものぼると言う。

同社の強みは「足で稼ぐ機動力」。独自調査網による定期的なデータ収集が基本で、地域特派員と称する外部協力者約2万5千人のネットワークを構築し、全国市町村区分の細かなニーズにも対応できる体制を整えた。

主婦のアイデアからスタートした同社だが、交通コンテンツをキーワードに未開拓のマンナビ市場を着々と開拓しつつある。まるで1本の木が森を目指して生長していくように!


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

東京労務管理総合研究所

▲ TOP

2003年の記事に戻る