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2003年の記事

 

 

 

 

 

根本特殊化学(株)

 

オンリーワンだからこそ、技術開発にチャレンジ!
業種:夜光塗料製造
根本特殊化学(株)

「事業というものは、いつまでも続くと過信してはいけない。常に次の製品を開発していかないと、いつかは潰れてしまう」と、技術開発の重要性を強調するのは、夜光塗料で世界の60%のシェアを占める根本特殊化学(株)(東京都杉並区、従業員数92名)の根本社長。

同社は、1941年の創業以来、夜光塗料に関わって60年。その飛躍の契機は、1994年に開発したN夜光(ルミノーバ)にある。当時の主力製品であった放射性夜光塗料が、人体に及ぼす影響により大手時計メーカーから使用中止通告を受け、企業の命運をかけて、わずか3年間で約10倍の発光時間と明るさをもつ画期的なN夜光を開発した。こうした短期間で開発が出来たのは、
従来からの研究開発の蓄積があったからこそという。

このN夜光をもって、現在、世界の夜光時計の文字盤需要を独占し、生産拠点や販売拠点を世界各地に展開している。また、国際化によって様々な需要も新たに生まれ、アメリカの100ドル紙幣や、ヨーロッパのユーロ紙幣などにもN夜光の技術が活かされるようになった。

しかし、夜光塗料の世界需要は年間約700トンという小さな市場。1つの新技術や新製品が業界地図を大きく塗り換える可能性がある。だからこそトップメーカーとして技術開発に余念がない。より高機能な製品、多様な発光色を求めて、次々と新しい課題にチャレンジしている。

ニッチ分野でグローバル化してオンリーワンに。更にコア技術を核に多角化展開。これを支えているのは、現状に甘んじない危機意識とたゆまぬ技術開発へのチャレンジである。暗闇に浮かび上がる光のページェント。そこには、明確な経営戦略とそれを支える研究開発力が潜んでいる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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