東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2007年の記事

 

 

 

 

 

日本フネン株式会社

 

■「雑木林経営」を目標に

業種:防火ドアメーカー
日本フネン株式会社

「一本の大きな木(事業)に寄りかかった経営ではなく、丈は低くとも、異なった種類の木から成る雑木林型の経営を目指したい」。雑木林にたとえてこう経営の目標を示すのは防火ドアメーカーの日本フネン株式会社(徳島県吉野川市)の久米徳男社長。

同社の設立は1974年(昭和49年)。先立つ2年前、エフ・グループ3社(株式会社布川製作所、富士ファニチア株式会社、ニホンフラッシュ株式会社)と日本油脂株式会社との間でスタートした共同開発プロジェクトが端緒となった。その共同開発のテーマが「シラス(火山堆積物)を材料とする水平材・垂直材の研究開発」だった。折りしも高度経済成長とともに、特に都市部の建物の高密度化、高層化、複合化が進む中、「不燃」、「防火」、「耐火」性のニーズが高まり、この共同開発はこれに背を押されるように進み、不燃・軽量の防火ドアとして研究成果が結実。74年、この製造・販売会社として設立された。「特許制度に着目しながら、常に最先端の技術を志向する遺伝子がこの時からすでに生まれていた」と久米社長、研究開発型の社風となったルーツを説く。以後、開発成果は大きく伸び、強豪の大手がいならぶ防火ドア業界の上位の一角に食い込むメーカーとなった。

しかし、防火ドア市場、いまや激戦区である。「寡占化が進み、上位5社で市場の95%を占めている。しかもこの中で再編成の動きも底流にある」と久米社長、業界の構造変動の中で、外圧をひしひし感じる日々でもある。もちろん、早くから手を打ってきている。防火ドアを中心とするドア部門を主軸としつつ、ガーデニング材などの窯業部門、廃ビンガラスなどからのリサイクル製品を出す環境製品部門など、新分野への進出・拡充をコツコツと進めてきている。「いろいろ多様な樹木からなる雑木林経営を目指す」と久米社長がするのは、研究開発をルーツとする同社の強みをいかしつつ、激動の時代を安定感をもった企業として進んでいくことを示している。

第三、第四の種もまかれている。“風圧”にも強い日本フネン作りに拍車がかかろうとしている。             


       




著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2007年の記事に戻る