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ナイトライド・セミコンダクター(株)

■夢の紫外線LEDに特化、照明分野進出も狙う

業種:紫外線(UV)LEDの製造
ナイトライド・セミコンダクター(株)

徳島県内に「世界一」と呼ばれるLED(発光ダイオード)メーカーが、日亜化学工業(阿南市)のほかにあと1社ある。ナイトライド・セミコンダクター(鳴門市、村本宜彦社長)である。紫外線(UV)LEDを開発し、世界に先駆けて一部量産を始めた産学協同ベンチャーだ。

同社は青色LEDの開発者である中村修二氏の恩師である酒井士郎徳島大学教授が開発した窒化ガリウム半導体を事業化するために2000年 4月に設立した。この事業化は暗礁に乗り上げてしまったが、2001年 1月に光の波長の短い紫外線LEDを開発し、翌年に初めて市場投入した。

紫外線LEDは青色LEDより波長が100ナノメートル(ナノは10億分の1)短く、しかも赤、緑、青の3原色をすべて出すことができるため従来のLEDにとって代わる潜在力を秘めるといわれる。また白色発光に使えることから「ポスト蛍光灯」としても有望視されている。それには発光効率の改善が必要で、村本社長は「2015年にも白色LEDを使った照明を製品化したい」との構想を持つ。

現在量産に乗り出しているのは、光の波長が355ナノメートルなど5つの紫外線LEDのベアチップ。「当面、紙幣の識別装置や樹脂硬化装置、光触媒と組み合わせた空気清浄機向けなどに販売していく考え」(同社長)だが、紙幣の識別装置向けにベアチップと偽札検知センサーを組み合わせたユニット製品などを販売するとともに、医療やバイオ分野の応用製品開発も進めている。これによりベアチップだけでは大きな売り上げが見込みにくいという課題を乗り越えたい考えだ。

「これまで半導体の生産は大企業の領域で、ベンチャー企業が手掛けることはほとんどなかった。だからこそ成功させたい」(同)と、同社の中期的な目標である紫外線LEDを使った白色照明開発に総力を挙げる。ただ、この白色照明市場が形成されるまで、紫外線LEDの用途開発という当面の事業運営上の課題を克服する仕事が待っている。本格離陸まで「今が生みの苦しみ」(同)ともいえよう。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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