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2012年の記事

 

 

 

株式会社エヌエスブレーン

■「繊維加工−放射性汚染物質吸収・除去−で震災復興支援」

業種:繊維加工
株式会社エヌエスブレーン


東日本大震災により岩手、宮城、福島3県の沿岸部で生じたがれきの量は1,800万トン超ともいわれ、1年半経ったいまでも処理が終わったのは全体の25%に過ぎないという。膨大な量に加えて、処理を更に困難にしているのが、放射能汚染である。

汚染の拡大懸念から、がれき処理受入れ先や中間貯蔵施設設置の調整が難航しているなか、被災地復興の手助けがしたいと、得意の開発力を武器に立ち上がった中小企業がある。両面編みニットウェア製造、マイクロカプセル付着加工、ナノ繊維加工で業界をリードするエヌエスブレーン(富山県射水市、渋谷清澄社長)だ。

平成7年、同社が官との連携で業界に先駆けて開発したマイクロカプセル付着加工機は、完成品に付着加工する画期的な技術を備え、静電防止、保湿、吸水速乾、抗菌防臭、紫外線カットなどさまざまな繊維加工を、ロス"ゼロ"で行う。今年2月には厳しい審査を経て『制菌加工SEKマーク』の認証を取得し、国内で唯一、最終商品にSEKマークを付けることが認められた。

同社が放射性汚染物質の除去技術開発にあたり着目したのは、青色顔料・プルシアンブルーの放射性セシウム吸着剤。これをマイクロカプセル化してがれきの梱包材や収集・保存袋に付着させ、放射性物質を吸収・除去するというもの。既に開発に着手している。

「売上や規模に固執せず、常に内容を重視した最良の企業でありたい」と話す渋谷社長は、「世界を股に掛けた頭脳集団」を目指して、産学官連携のもと、独自技術の開発に挑む。『ナノ加工技術(防水、撥水、撥油)を施したアクリル混ニット商品』の製造・販売」では国の地域資源等活用事業計画の認定も取得しており、同社の更なるチャレンジを期待したい。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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