(株)オーキッド
■「アクティブシニアを取り込んで、生涯学習の拠点に」
業種:パソコン教室の運営
(株)オーキッド
パソコン教室を10数年間、運営しているのがオーキッド(埼玉県草加市、松野公一代表取締役会長)。IT機器のモバイル化が進展し、パソコンからスマートフォンやタブレット端末へのシフトが進む逆風下でも、首都圏をテリトリーに、教室数、業績とも右肩上がりを続け、株式公開も視野に入ってきた。時代と少々ずれているようなパソコン教室も、やり方一つで次代のニュービジネス、ニューサービスの拠点になる。そんな気づきや発想の転換が、同社の成長発展を支えている。
「教室に通うのは、4、50歳から80歳ぐらいまでのパソコン初心者で、平均年齢は60歳。女性が70%を占めます」。松野会長は、同社の顧客像をそう説明し「お金に余裕があって、まだまだ私の人生は終わっていない、次がありますと思っているような人たちです」と補足する。
教室ではワード、エクセル、インターネットといったパソコン講習の基礎科目を中心に、週1、2回の受講で、1年間程度で卒業するカリキュラムを編成している。これだけでは、どこにでもあるパソコン教室と変わらないが、オーキッドの特徴は、デジカメ、英会話、デッサン、スポーツ吹き矢、ハイキング・散歩など多種多様な講座を用意して、ミニカルチャー教室の顔も持っているところだ。「(生徒が)エンドレスで、やめない教室を目指す」(松野会長)と、生涯学習の"受け皿"あるいは拠点として、確たる存在感を示しつつある。
現在、同社の教室数は直営、フランチャイズを合わせて100数十に達し、生徒数は現役が3500人、卒業生が6万5000人ほど。その大半が教室から半径2キロメートル以内に住む人たちなので、組織化が図りやすい。そこで、現役、卒業生を合わせた7万人弱を対象に、「健康」をテーマとする新たな会員組織を教室ごとに発足させ、さまざまな会員向けサービスを提供する企画も練り上げている。
「これからますます増える、元気でいろいろなことに挑戦するシニア層に、勉強の機会を提供し、それが生きがいになるような講座を全国規模で展開していきたい」(事業説明資料より)とする同社では、教室数も売上高も、向こう5年で3倍に伸ばす中期計画を策定。成長促進のため株式公開も射程に入れている。アクティブシニアのさらなる活性化が、ラン(オーキッド)の大輪の開花に直結するようだ。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
▲ TOP
2014年の記事に戻る