プロアシスト
■「ロボットとの協働・共生」はいつ実現?
業種:ロボット用センサー研究開発
プロアシスト
チャップリンの代表作の一つ「モダン・タイムス」の中に人間が機械に働かされる場面が描かれている。生産工程の効率化を追求することで機械化が進展し、無人化へとつながっていく。その究極がロボットだと思われる。モダン・タイムスの世界は機械化が緒についたばかりだったろうが、ロボットの進歩が著しい今日、モダン・タイムスを見るにつけ「人間とロボットの協働・共生」ということを改めて考えさせられる。
画像処理技術や組み込みソフトなどを手がけるプロアシスト(大阪市中央区)の生駒京子社長は「鉄腕アトムのようにロボットと人間が共生できるのはまだまだ先のこと」と言う。同社は2007年にセンサーシステム「SONIC ROBO」で「中小ものづくり高度化法」の認定を受けている。この「SONIC ROBO」は超音波センサーと光学式カメラを組み合わせた複合センサーシステムで、現在、産学官連携により開発を進めている。
同社はロボット用センサーなどの製品を多く開発してきており、モノ作りをバックアップする企業として認知度が高まっている。その中から「SONIC ROBO」のアイディアが生まれたわけだ。ロボットアームの手と腕の部分に、光学式カメラと超音波3次元マイクロアレイセンサーを、指先には超音波センサーを組み込む計画だ。これにより測定時間の短縮化や計測精度の向上を図る計画。
ただ、光学カメラと超音波3次元マイクロアレイセンサーを複合化できるのか、高精度化が可能かなど解決しなければならない問題も多い。そして、人間との協働という大命題をクリアしなければならない。現在、稼働しているロボットは事故防止などの観点から安全柵が設けられているものが多い。これでは協働とは言わないだろう。ロボットも人間と同じように行動し、安全にも同じように目配りし、万が一の場合は同じように行動しなければ、真の共生ロボットとはいえない。開発中のセンサーは「フローティング制御」を搭載する計画で、この制御方式を用いると、人間の動きを察知し、緊急時には回避行動がとれるという。
そう遠くない時期にロボット全盛時代が訪れるだろう。その時、完全にロボット化された生産ラインを掃除するのは誰だろう。ロボットを掃除するために新しいロボットを作るのだろうか。それとも人間がロボットの清掃するのだろうか。「ロボットと人間の協働・共生」というのは、言葉でいうほど簡単ではなさそうだ。できればロボットの掃除よりロボットをコントロールする側でいたいと思う。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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