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2009年の記事

 

 

 

キューオーエル株式会社

 

女性の強い味方になりたい

業種:寝ている間に自動的に計測する体温計開発
キューオーエル株式会社

男女雇用機会均等法ができて30年以上、女性の社会進出はもはや当たり前のようになっている。10年前、長野県上田市に本社のある株式会社エイネット(情報提供サービス等)は、当時は社長も女性、従業員も女性がほとんどで、健康上のトラブルや悩みが後を絶たなかった。

「あまりにも女性の具合が悪いのは自社だけの問題ではない、社会の問題だ」と基礎体温計測に着目し研究をスタート、平成13年にはAREC(浅間リサーチエクステンションセンター)の協力を得て信州大学繊維学部と共同研究を行った。毎朝決まった時刻に起きてじっとくわえて計測することは大変だが、女性の体調を知らせる貴重なサインである基礎体温を、夜眠っている間に測ってしまえないかと。この年、研究開発に専念するために、キューオーエル株式会社を設立した。来る日も来る日も試作と、計測検証実験の繰り返し、試作機器は6種類、200台以上、延べ28,410日の試験計測。

その後早稲田大、会津大、東京医科歯科大との共同研究のほか、多くの産婦人科医らの指導や協力も得て、昨年5月についに就寝時に衣服に着けて寝るだけで基礎体温が計測できる製品が完成し、発売を開始した。温度データはQRコードで表示され、それを携帯で読み取りサーバーに飛ばし保存可能にした。 2つの温度センサーが一晩で37回の計測を行っていて、寝返りや布団をはいでしまっても外側のセンサーが感知、その日の代表となる温度を計測してくれるという。PCでも携帯でも閲覧できる。

携帯やPCの操作管理は苦手だが、自動計測してくれるだけでありがたいという人のためには、自分でグラフや表に記入するスタンドアローンタイプの製品も今年4月に発売した。

「女性の強い味方になりたい」という一心が結果に結びつき、「第21回中小企業優秀新技術・新製品賞」も受賞した。女性はもちろん男性や病院でも活用されつつある。社会の各方面で女性の QOL向上を願うキューオーエル株式会社の挑戦は今も続いている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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