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レジエンス(株)

■「角膜障害・肝硬変治療等に挑む再生医療ベンチャー」

業種:再生医療等製品の研究・開発・製造
レジエンス(株)


「2014年11月の薬事法改正が大きなチャンス。時の利を得た」と話すのはバイオベンチャー、レジエンス(東京都港区)の村山正憲社長。改正薬事法では「再生医療等製品」を新たに定義し、その迅速な実用化を促進するための制度を創設するとしている。同法により、製品化までの道程が短縮され、医薬品メーカーは時間的にも経済的にも、以前よりずっと有利な条件で研究開発に取り組める。「次世代を担う再生医療分野で革新的製品をつくり、この分野でのリーディングカンパニーを目指す」とする同社に、今、強い追い風が吹いている。

レジエンスは、2000年発足のナレッジソリューションを母体に、2013年、商号を変更して現在に至る。村山社長は外資系証券会社に勤めた後、縁あってバイオベンチャーの起業家に転身し、遺伝子医薬と抗体医薬の二つのバイオベンチャーを経営、一つは上場させている。3度目の挑戦として、再生医療に照準を合わせたレジエンスを立ち上げた。

「一人の先生に依存するだけでは経営は不安定になる。ポートフォリオが必要」。村山社長はバイオベンチャーをかじ取りするうえで、複数のパイプライン(開発案件)に同時並行的に取り組むポートフォリオマネジメントの重要性を強調する。実際、同社では、阪大、大阪市大、東大の研究者らをパートナーとして、「傷ついた目の角膜を口腔粘膜上皮細胞で再生する」、「iPS細胞由来の肝幹細胞や生体由来の"星細胞"を使って肝硬変を治療する」、「培養表皮の移植により白斑病を治療する」から「iPS細胞で毛髪を再生する」まで、多彩なパイプラインの並行ランを進めている。

再生医療の日本国内の市場規模は、2012年の90億円が、2020年に950億円、2030年には1兆円に拡大すると見込まれている(平成25年版科学技術白書より)。村山社長は、この予測を「相当控えめ」とみる。アンメット・メディカルニーズといわれる、ニーズは膨大だが、まだ有効な治療法が確立されていないアルツハイマー病、網膜症、肝硬変、慢性腎不全、脳梗塞などをターゲットに据えて、これらの治療を再生医療等製品で成し遂げるとの信念が、白書の予測は控えめだと思わせるようだ。

村山社長は「改正薬事法で、日本が世界の中でも再生医療の研究開発に一番取り組みやすい国になった」と、時の利と合わせて地の利も得たと説明する。そのうえで「革新的技術で新市場を開拓するベンチャーが今、この国に求められており、そんな企業に成長したい」と、再生医療で日本再生の一翼を担おうともしている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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