(株)アールエフ
■「創業地でのモノづくりにこだわる」
業種:内視鏡等の開発製造
(株)アールエフ
(株)アールエフ(長野市、丸山次郎社長)は、医療用デジタルレントゲン、歯科用ワイヤレス口腔内カメラで業界ナンバー1のシェアを誇る研究開発型メーカー。平成5年の創業以来18年連続増収を続け、平成24年5月期の売上高は過去最高額を見込む成長企業だ。
同社が医療機器分野に参入したきっかけは、平成8年、同社の鉄道模型用カメラを携え長野までやってきた日系米人歯科医の依頼で、世界初の歯科用ワイヤレス口腔内カメラを開発したことに始まる。扱いやすく高画質、しかも低価格なため米国市場を中心に大ヒット。世界シェア85%の実績を誇った。
以降、世界初のカプセル内視鏡やデジタルレントゲン「NAOMI」など、斬新な医療用機器を相次いで開発。192個の高感度CCDセンサーを内蔵した「NAOMI」は、フィルムレスにより現像液を不要にし、高解像度が撮影時被ばく線量を大幅に低減した。今後は、デジタル回線による専門医との連携診断で「医療格差の是正につなげたい」と意気込む。他社製品の3分の1という低価格実現で、国内開業医におけるシェアは50%を超え、同社の主力事業となっている。
モノづくりに対する姿勢は、「売ることを考え、売れるものをつくる」と明確だ。開発面で技術者と営業担当者の立場を対等にし、真に必要なニーズのみを反映することで、過度な性能や装備を排除、価格の抑制にも成功した。営業スタイルも独特だ。訪問営業をやめ、医師や医療関係者が集まりやすい全国の都市部に店舗を構え販売を行っている。場所は全国9店舗とも一等地にある。「場所のブランド価値が高いと、営業が楽になる」と、5月にはニューヨークのタイムズスクエアタワーにニューヨーク店をオープンした。
「安易に海外に行かない。国内で生産できる知恵を出していきたい」と創業の地、長野でのモノづくりにこだわる丸山社長は、平成15年、医療機器の研究開発を目的とする大学院大学構想を発表。「卒業生を中心にして、長野・日本を世界に向けた先端医療機器の供給基地にしたい」と、壮大な未来構想を語る。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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