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2006年の記事

 

 

 

 

 

株式会社三しゅうプレシジョン
(※「しゅう」は王へんに秀)

 

■「天下の下請け」を自称し、技術で顧客を増やす

業種:樹脂部品の精密加工
株式会社三しゅうプレシジョン

概して、下請け企業は景況や親会社の動向に左右されやすく、常に不安定な経営環境に直面している。底流には“脱”下請け意識も根強いが、樹脂部品の精密加工が得意な株式会社三しゅう(※「しゅう」は王へんに秀)プレシジョン(愛知県高浜市、神谷昭司代表取締役)は逆に「天下の下請け」と自称して、請け負い戦略を基本方針に据え、一流企業との取引を広げて、成長路線をひた走っている。

安定した下請け経営の背景は、ズバリ、独自技術を確立している点にある。同社が主力とする樹脂部品は、外径1ミリ以下の部品を成形する「超小型精密成形技術」や、2種類の材料を組み合わせて成形する「異種材料成形技術」、厚さ0.1ミリ以下の部品を製造する「超薄肉成形技術」など自社開発の新技術をもとに製品化し、顧客の注文に合った部品を供給する。その納入先はプリンターや音響・映像機器メーカー、自動車メーカーなどの成長業種。品質管理の厳しい大手企業が大半だが、それら顧客から信頼を得て長期間の取引関係を築き、新規顧客が増えれば、その分業容も拡大するといった具合。

同社の創業は1942年。腕時計の針の製造からスタートして、文字盤や外装品へと拡大し、一時は同製品のトップメーカーに成長したが、腕時計産業が成熟するにつれ頭打ちの状況に陥った。生き残りをかけて樹脂の金型分野に進出したのが1970年代。金属製品から樹脂製品へと転換し、精密部品加工にこだわって新技術を身に付けてきた。約30年後の今日、「精密分野のモノ作りニーズに応える」という下請け経営をより鮮明にしつつ、日本ばかりでなく、中国、シンガポール、インドネシア、米国など国内外にグループ会社8社を擁するグローバルな複合企業体を形成するほどになった。

社名のしゅう(※「しゅう」は王へんに秀)は「光り輝く」、プレシジョンは「精密」という意味だという。中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれ、名実ともに世界に輝く精密部品メーカーへと、21世紀型下請け企業の挑戦は続く!


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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