サンヨーコンサルタント(株)
■「挑戦する企業でありたい」
業種:建設コンサルタント業
サンヨーコンサルタント(株)
地方で建設コンサルタント業を営む中小企業が、民間活力を活用した社会資本整備事業であるPFI事業に取り組んでいる。この事業は複雑な手続き、調整力などが必要とされるため大手・中堅企業が主に取り組むことが多い。しかし、この中小企業は今、PFI事業に関するコンサルティング業務に挑戦している。
その企業とはサンヨーコンサルタント(株)(山口県宇部市)。測量、地質調査、土木工事などを手掛ける会社として昭和31年に創業。全く別の会社社長をしていた花村順次氏が同社の社長に就任したのは平成14年。だが、「その2、3年後に景気がどんどん悪くなり経営がピンチに立たされた」(同社長)。
不況の建設業界で生き残るにはどうするか。花村社長は「長年培った建設コンサルタントの仕事を生かすため、今後伸びが期待できるPFI事業に目を付けた」。ところが周囲は「中小企業で手掛けているところはない」と参入には消極的だった。同事業はコンソーシアムの組成から提案書提出、そして落札後はSPC(特別目的会社)の設立・運営という手順がある。
困難も多いが、「PFIはこれからのビジネスチャンス」と平成17年に参入に踏み切った。「中堅・中小建設会社の参入を助けたい」と独自色を出していく戦略だ。同社長と社員2名が実務に当たりすでに、警察関係の単身寮、公務員宿舎などを落札、引き渡しをしている。コンソーシアムには建設の準大手クラスが多く参加するが、どの案件でも同社は代表企業を立派に務める。
現在、同社の売り上げ構成に占めるPFIの割合はまだ10%未満。だが「仮に落札できなくても一緒に組んだ企業との親密な関係ができ、お互いの財産にもなる」(同)と期待は大きい。「中小企業でPFIに参画するケースはあまりないと思うが、大手に独占されたくないとの気概で挑戦することが面白い」と同社長は話す。中小企業の新たな生き方を示してくれる挑戦者魂だ。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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