サンユレック株式会社
■テンポ良い技術開発で時代の流れにキャッチアップ
業種:照明用LEDのパッケージ開発
サンユレック株式会社
開発にはテンポが必要だ。サンユレック株式会社(大阪府高槻市)は半導体封止技術を手がけ、さらに独自開発の真空印刷封止技術と白色LED用の透明樹脂を用いて、新しい表面実装パッケージ技術を開発するなど、時代の流れを的確に捉えたテンポのいい企業だ。最近、発光ダイオード(LED)が民生分野に使われるようになっており、とりわけ白色LEDは消費電力が少ないなどの特徴があるため、照明向けに注目されている。同社はこの照明用LEDのパッケージ開発に力を入れている。
LEDは1955年頃から赤、緑、黄色と開発が進み、1996年に青色LEDが開発され、青色が作られたことにより白色のLEDが実用化された。それまではLEDの需要は表示系が中心だったが、白色LEDが開発されたことで、第4世代の照明器具として新しい道が拓かれようとしている。需要は年々拡大しており、今後2年から3年でLED電球が住宅やオフィスの照明用として普及すると見られる。2012年にはLED全体の市場規模は1兆5千億円近くになると予想されているほどだ。
サンユレックは半導体封止材用エポキシ樹脂の生産からスタートした。その後、印刷技術を活用した封止法を開発、さらに真空状態の印刷装置で半導体を封止する技術を確立した。この方法だと封止時に空気を抜く作業が不要となり、製品の安定化につながるだけでなく、生産効率が高まるなどのメリットがある。当然のことながら専用装置も開発した。
この真空印刷封止技術をLEDにも応用、レンズの成形を可能にした。実装されたLEDチップ基板上にレーザーで穴を開けたマスクを配し、透明な樹脂を流すことでレンズを成形するため、量産が可能になった。こうした技術をベースに「照明用LEDパッケージの開発・量産化」を目指すようになった。このプロジェクトは2007年度の戦略的基盤技術高度化支援事業の認定を受けている。
技術開発力のある企業は時代の流れを読むことができる。流れにマッチしたロードマップを作り、マップに沿って時代を先取りしていけば必ずその技術が大化けする時がやってくる。サンユレックも接着剤や樹脂材から半導体封止分野へ展開、さらにLEDへと拡大するなど、テンポよく最先端分野にキャッチアップしている企業といえる。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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