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元気な企業(最新)

2006年の記事

 

 

 

 

佐藤薬品工業株式会社

 

規制緩和をビジネスチャンスに成長軌道に乗る
業種:医薬品の受託加工
佐藤薬品工業株式会社

昨年4月に施行された薬事法の改正はビジネス現場に様々な変革をもたらしている。薬品の製造受託が自由化されたことで、薬のアウトソーシング市場が一気に拡大し始めたのも象徴的な現象。これを好機に、受託加工が強みの佐藤薬品工業株式会社(奈良県橿原市、佐藤進社長)は事業拡大を加速し、中小企業から“準大手”企業へテイクオフ体制に入った。

同社は終戦間もない1947年、薬の産地で知られる奈良に創業した。老舗が多い業界の中の戦後派だが、「根っからの薬屋」を持ち味にして多くの製薬会社との取引を広めた。なんと、受託加工だけで国内外の60社余・130品目というのは業界トップである。それほど多種多様な医薬品の受託加工をこなせる技術力こそ、同社の面目躍如とするところだ。しかも、自社製品として大衆層に直結する一般医薬品を100品目近くも製造・販売する。この幅広い開発力の中から、今度は自社ブランドの健康食品を製品化し、医薬品+食品の2本柱経営へとパワーを倍加した。

同社は、カプセル製剤を中心に一定の配分で複数の薬を充填する技術に定評がある。米国食品医薬局から日本で初の内服固形製剤の製造許可を得たのはその証し。厚生省のGMP基準に適合した工場を持ち、最新機械の導入にも熱心だ。なにせ、薬は日進月歩の製品だから、技術力の裏付けは絶対条件。薬事法の改正をにらんで設備投資を積極的に行い、独自技術を背景に受注体制を拡充した。強化策はズバリ的中。受託加工は増え、増設した工場はフル操業の状態にある。加えて、ダイエットスープなど自社ブランドの健康食品もネット販売を取り入れてからジワリと売れ始め、2〜3年中には事業の太い柱に育てると気合いが入ってきた。

医薬品受託加工のリーディングカンパニーを自称する同社だが、薬事法の改正で市場が拡大しビジネスチャンスが広がった。これをジャンプ台にと、積極投資と新事業の展開に踏み切り、新たな成長軌道を描きつつある。それは「保健衛生を担う中核企業」(佐藤社長)への上方修正と映る。 


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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