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元気な企業(最新)

2006年の記事

 

 

 

 

湘南技術センター株式会社

 

「古人を新人に変える」ビジネスで飛躍
業種:設計、CAD技術の研修事業
湘南技術センター株式会社

市場ニーズが企業を進化させる。また、進化した企業が新市場を切り開く。にわとりと卵だが、その目まぐるしい変化を担うのは人である。古いままでは活躍の場は日に日に狭まる。世の中は、より新しい技術、より進んだスキルを備えた人材を求めてやまない。ずばり「古人を新人に変える」をキーワードに、CAD教育に代表される中高年の職種転換で新しいビジネスを切り開いた企業がある。湘南技術センター株式会社(横浜市西区、原田宏一社長)がその会社だ。

同社は1974年に個人設計事務所としてスタート、真空関連装置設計制作に特化して技術力、エンジニアリング力を磨き、蓄積してきた。もともと技術オリエンテッドな企業だ。85年に株式会社に組織変更するとともに、86年に設計技術者の派遣事業にも乗り出した。この基礎となったのは創業以来の設計力。設計にCADは必要不可欠。設計の仕事が膨らむとともに、CAD力も蓄積されていった。CAD技術を自社の社員に習得させる社員研修が、やがて職種転換事業へと発展していく。企業の人材教育は、バブル崩壊以降の不況の中で様相を変えていった。リストラ部門の人材を送るから、CAD技術を習得させて戻してほしい、といった人材養成の注文が増えていった。また退職を余儀なくされた技術者が新しいCAD技術を習得したいと飛び込んでくるケースもあった。同社が、CAD技術を中心に、技術者の派遣事業とともに技術者の教育事業へも広がっていったのは、世の中の急激な変化が後押しした。いまや、職種転換事業部門というくくりの部門へと大きく伸びてきている。まさに同社がキーワードとする「古人を新人に変える」ビジネスとして育ってきている。

原田社長は「わが社にきたひとは、最初気落ちしていることが多い」が、新たな技術を習得し、再び活躍の場が決まると「生まれ変わったような前向きな気持ちで再出発していく」と職種転換事業の手ごたえをかみしめる。2005年には「開発研修センター」を鎌倉市に開設、一角にフライス盤や旋盤を置く“現場”を作っている。現場での作業体験もさせ、CAD技術が机上だけの技術でないことを教え込もうとしている。

真空関連装置の設計・エンジニアリングがルーツの同社。技術の時代の中で、聴覚障害者研修にまで幅を拡げ、多様な形で企業社会へ応えようと進化してきた。次に同社がどういう提案を企業社会に行うだろうか。企業社会の今後の進化を占う意味でも注目される。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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