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2004年の記事

 

 

 

 

昭和電機株式会社

 

システム導入だけではダメ
−メーカーとITコーディネーターが手を組んだ−

業種:電動送風機メーカー
昭和電機株式会社

「ITを上手に活用することによって顧客と接する時間を増やし、新しい仕事を生み出していく。これがIT導入の本当の目的」と力強く語るのは電動送風機メーカー、昭和電機株式会社(大阪府大東市、従業員147名)の柏木社長。

同社は1950年の創業。高度な風力技術で定評を持ち、電動送風機では業界トップシェアを誇るが、年間5500種の製品を生み出す典型的な多品種少量生産。流れ作業では対応できないので、数年前から、1人で製造から梱包まで行うセル生産(一人一個生産)方式に取り組み、利益向上とコストダウンに成功。納期も早まり顧客からの評判も高まった。しかし、製品種類が多すぎて営業担当
者が把握できないという顧客対応上の問題が残っていた。IT化はこの解決のために選択された。

IT化の導入に当たり、同社は、外部の専門家である大阪産業創造館のITコーディネーターの支援を得てプロジェクトチームを組織、ITとは関係なく会社の課題を整理することから始め、本当に同社の発展に役立つIT化は何かを考えた。この結果生まれたのが「いろいろ相談」を略して「IS(イズ)工房」。営業担当者からの質問に専任スタッフが一元的に対応するという、一見IT化とは逆行する人を介するシステムである。しかし、そこでの質疑応答を
データベース化することで、営業担当者は、まずそのデータベースから顧客への回答を検索出来るようになった。

また、新たに営業向け技術書類提供システムを構築。経済産業省の「IT活用型経営革新モデル事業」の対象事業に採択されたこのシステムの導入により、従来は1日から10日以上も要していた、顧客や販売店からの設計図面や仕様書等の請求に対し、営業担当者が最短10分で検索し回答出来るようになった。この結果、設計部門は、営業からの問合せが減って、その分設計に専念できるようになったと喜ぶ。 

同社では、ITを活用した受注生産システムを平成13年に導入したが、そこにとどまらず、ITコーディネーターを活用して、徹底的な業務の見直しを行い、そこから見えて来た問題を解決することで、顧客や販売店へのスピーディーな対応と顧客と接する時間の増加を生み出すことが可能になった。会社にとって真に必要なIT化を考え抜き、新しい仕事と利益に繋げて行くことが大切であると同社の事例は教えてくれる。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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