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2003年の記事

 

 

 

 

 

滋賀建機(株)

 

新規事業成功のカギは人!
業種:建設機械リース・レンタル業、山岳トイレ開発
滋賀建機(株)

「ポイントはその事業をやるために信頼し、任せる人がいるかいないかだ」。新規事業に乗り出すポイントを尋ねられて、そう語るのは、建設機械リース・レンタル業を営む滋賀建機(株)(滋賀県秦荘町、従業員85名)のリーダー、蔭山社長。

新規事業は常に大きな夢との二人旅である。期待通りの旅になるかどうかのカギは人が握っている。同社は、建設機械のレンタル業からは思いもつかない山岳用のトイレを開発、その山岳トイレ事業を新規事業として軌道に乗せて、注目されている。

同社はその名のとおり、もともと建設機械のリース・レンタル会社だった。ところが、このリース・レンタルビジネスも環境が厳しくなり、10年ほど前から多角化に乗り出した。

多角化のひとつが環境分野だった。近年の登山ブームで、中高年を中心に山に登る人はどんどん増えている。ところが山小屋のトイレ整備が遅れているため、自然が汚染されるという問題が起きていた。自然の浄化能力を超えてしまっていたのである。同社はそこに着眼。循環完結型の山岳排水処理システム、いわゆる「山岳トイレ」の開発に取り組んだ。開発のきっかけは、知人を介して研究開発の資金繰りに困っていた「山岳トイレ」の開発者を紹介されたことだった。

目出たく完成したシステムは、風力と太陽電池で動く特殊な浄化槽により、水を繰り返し使うことが出来、汚物の発生量も約10分の1に減らすことが出来る優れた排水処理能力を持っていた。

「自分の得意分野以外に手を出すな」という声に対して、蔭山社長は「専門分野はプロにまかせ、計数(経営)は自分が見る」とバッサリ。現に、長野県の浄化槽メーカーとの連携により、八ヶ岳夏沢鉱泉に山岳トイレを設置したのをはじめ、南アルプス・仙丈ケ岳、八ヶ岳・硫黄岳山荘、谷川岳・肩の小屋休憩所など、設置先は着実に広がり、弁当工場から出る排水処理にも活用されている。

「技術が放置されているのを見るに見かねて取り組んだ」と語る蔭山社長。頼りになる人を得て、大手企業には出来ない特化市場に、着実な取り組みを進めている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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