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2012年の記事

 

 

 

(株)サウンド・コンプレックス

■「スマホで音楽が見つかる」

業種:次世代音楽検索エンジン開発
(株)サウンド・コンプレックス


「音楽を一部のアーチスト、演奏家の限られた音楽ではなく、連綿と続くロングテールのプレーヤーたちの音楽をどうやって世の中の人に届けていくか」(株)サウンド・コンプレックス(京都市)の荒川邦雄社長は、新たな音楽コンテンツビジネスの開拓に意欲的だ。

同社は平成20年9月に設立。マスメディアとかCDなどと異なり、スマートフォンという、「個人に非常に属性の近い器械を使い、新しい消費の形として音楽を届けたい」(同社長)と創業。事業の柱はまず、音楽を見つける新たな仕組みづくり。この分野は今、シリコンバレーでも日本でもホットな話題だ。

「音楽は実は誰も探せないというのが現実です」と同社長。えっ!と誰しも驚くような荒川社長の提起だが、言われてみると、キーワード入力などでは検索できないし、同社の目指す、より個人の感情に基づいた音楽の探し方は不可能だった。こんな音楽を聴きたいと思っても、そうしたパーソナル検索の分野は検索手段がなかったといっていい。

同社はこれに対する一つの答えを、スマートフォンに独自の「音響解析技術」を使った、次世代音楽検索エンジンとして開発、運用している。総ダウンロード数45万の人気アプリだ。

もう一つは音楽をスマホで便利に聴く仕組みの開発・運用。これはCD・ダウンロードなどに次ぐスマホ有料配信パッケージとして、新たな音楽配信市場の開拓を目指すもの。このため、スマホ向けの音楽配信プラットフォームの開発・運用に挑戦。要はパッケージを変える仕組みと音楽を見つける仕組みづくりの両輪で動くのが同社の事業。この2つを組み合わせワン・サービスに統合した新商品を、集大成として近くリリースする予定だ。

実は、創業から1年ほど成果が上がらずにいた時、ある金融機関から中小機構近畿本部の「近畿一番星ベンチャークラブ」を紹介され入会した。半年ほど事業計画のブラッシュアップに取り組むとともに、その発表会に出席していたベンチャーキャピタルなどにも計画を説明し、大きな自信になった。奇しくも一緒に共同開発していた会社も同じ会員だったことも後に知った。荒川社長は「数年後にはIPO(株式公開)を目指したい」とも。スマホで音楽を見つけ、音楽とコミュニケーションする同社のビジネスに期待する向きは多い。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


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