東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2003年の記事

 

 

 

 

(株)スズキプレシオン

 

「連携」でワンランクアップを達成!
業種:部品メーカー
(株)スズキプレシオン

中小企業の生き残り論として「オンリーワン」が注目されているが、「まずは自社の技術を高める。同時に、他社との連携によって力をつけることが(取引先を広げる上で)必要不可欠」と、連携を重視するのは、「(株)スズキプレシオン」(栃木県鹿沼市、従業員40名)の鈴木社長。

同社は、優れた金属切削加工技術を持ち、特にチタン加工においては顧客から高い評価を受けている技術指向型部品メーカーである。1991年に同社の社長に就任した鈴木社長は、当時、量産品が中心だった同社を「量産品に頼っていてはダメ。技術を高度化しつつ多品種少量生産を目指さなくては」と、「皆が出来ない製品を作る」社内改革に取り組み、何でも切削でき、どんな加工も
出来る社内体制を確立した。

その一方で、「連携」、「協力」の道を重視し、鹿沼を「日本の微細加工集積地」にしようと地元の金属加工中小企業の有志11社で「鹿沼ものづくり技術研究会」を設立、技術開発や需要動向などの情報交換を通じて技術力アップを図ろうとした。

この研究会の協力を得て、同社は、ステンレス板に髪の毛より細い直径0.03mmの穴を極細ドリルで開けることに成功、独自の高い技術が、多くの仲間の協力や助言を得たことにより更に磨きがかかった。この技術は、最先端医療のバイオチップや半導体製造装置の心臓部に使われ、顧客の拡大が図られることとなった。しかも、ドリル機械は、通常、加工業者であれば誰でも所有していることから、実際の業務にも応用出来るため、技術の普及効果も高い。今回の穴開け技術は会員同士で共有し、更に精度の向上に努力を重ねている。

これとは別に、同社は、東京のレーザー加工業者、大阪の超硬加工業者、滋賀の鏡面研磨業者の4社による広域企業連合を組み、共同受注に乗り出している。これにより製品種類、営業エリアの枠を越えて受注先が広がっている。交流は会社トップだけでなく社員レベルまで進んでいるという。独自性を維持しながら、連携にも重心を置く同社の生き方は、独自性を強調するあまり孤立化
しかねない現代の中小企業に、「企業戦略のあり方」について示唆を与えている。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2003年の記事に戻る