豊橋糧食工業(株)
■「「麦ごはん」にこだわり続けて60年」
業種:麦ごはん製造製造
豊橋糧食工業(株)
「麦ごはん」は健康に良いと言われるが、一般には、なじみが薄いのではないだろうか。豊橋糧食工業(株)(愛知県豊橋市:伴野乙彦代表取締役社長)は、昭和21年の創業開始以来60年余り、麦ごはん製造一筋だ。原料の大麦は国産のみを使用し、「無洗米の麦ご飯」や麦の黒いすじを極限まで細くした「白い麦ご飯」などを開発・販売してきた。
麦ごはんの消費は、戦後まもなくは年間約 100万トンだったが、今は2〜3万トンになっている。かつては、米の価格が高くて、仕方なく麦を混ぜて量を増やしていたとも言われる。当時から、脚気になりにくく身体に良いと言われていたのも事実だ。食物繊維は非常に豊富で、胃腸の調子を整え、コレステロールも押さえるという。
栄養価が認められている一方、なかなか消費が伸びない。豊橋糧食工業(株)では、平成18年度に発芽させた大麦の周りを削って、蒸気で過熱し、ローラーでつぶす「発芽押麦」を製品化させた。これ以前にも発芽させた大麦の製品や押麦の製品はあったが、発芽と押麦の両方の要素を取り込んだものは日本で初めてだ。実は技術的に相当難しかったという。
発芽している大麦は柔らかくなり、従来の方法では砕けてしまい、加工できない。発芽大麦を粒として残したまま製品にするため、加工方法は根本から考え直さなければならなかった。4年の開発期間をかけ、栄養価はもちろん、香ばしい香りと自然の甘みが広がる製品が完成した。
ネット販売では着実にリピーターが増えているが、課題は、やはり販路の開拓だ。パートナーを求めて、今年度の「中小企業総合展」にも出展し、PRした。徐々に病院での食事や学校での食育など広がりつつある。毎日、日本人が主食としている「ごはん」でより健康に。麦ごはんは多くの可能性を秘めていることは間違いない。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。
▲ TOP
2010年の記事に戻る