東京総研トップへ

元気な企業(最新)

2010年の記事

 

 

 

高橋製瓦

■「瓦屋さん」が自社ブランドのベビーカーを開発

業種:住宅資材の製造販売
高橋製瓦

瓦屋さんがベビーカーを開発し、自社ブランドで販売を始めた―住宅資材の製造販売を手掛ける高橋製瓦(岐阜市)が、純国産のベビーカー(ブランド名=CURIO「キュリオ」)を売り出した。「なぜ瓦屋さんがベビーカーなの?」と開発・販売担当の高橋陽介取締役事業部長はいろんな人から尋ねられ、その反響の大きさにうれしい悲鳴をあげている。

高橋取締役は大手建設会社のサラリーマンだったが、4年ほど前にやめて父親が社長を務める同社に入社した。ただ入社前から「何とか自分のブランドを持ちたい」と自社製品開発を視野に入れていた。そのうち男の子が誕生しベビーカーを探したところ「気に入るものがなく自分で作ってみるか」(同)と考えたことが「キュリオ」開発のきっかけだった。

同氏は子供のころから「タイヤの付いた乗り物が大好き」(同)。退職金と公的資金を合わせて開発資金をつくり3年ほどかけてベビーカーを製品化した。愛知、岐阜県は元々車椅子の製造が盛んな地域。デザイン、設計を自ら行い、製造は国内ベビーカーメーカーの下請企業に依頼した。国内で販売されている日本製品はほとんどが中国製で、残りが海外ブランドの輸入物だという。その点、キュリオは純日本製というのが「売り」の一つだ。

「当初男性向けの育児支援に」(同)と考えただけあって、タイヤが従来の国内メーカーの標準的な製品より大きく安定性がある。またタイヤはもちろんシートやその他部品の交換もできるため長く使えるという利点もある。さらにスーパーの買物カゴもすっぽり収まるなど実務的な構造になっているのに加え、EU基準認証も取得済みで品質や安全性も実証済みだ。「カッコいい、かわいい」と女性ファンも増えている。

ただ「作るのは得意だがどうやって売るのか全く知識も経験もなかった」(同)ため、販売・PRのやり方に関し中小企業基盤整備機構中部支部の支援を受けた。今年1月から4カ月にわたりモニター販売を実施、反応が良かったため5月から一般への本格販売を始めた。価格は国内他社製品よりやや高めだが、富裕層をターゲットにしているわけではなく「ベビーカーにこだわりを持ち、この製品をぜひ使いたいという人に供給したい」と当面、少量生産方式で進む考え。「異色のベビーカーメーカー」の今後に期待しよう。


著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン


著作者の承諾を得て掲載しています。無断転載ご遠慮願います。

 

▲ TOP

2010年の記事に戻る