(株)テクニコ
■「LED照明で製品×サービスのシナジーを発揮」
業種:LEDスポットライト等製造、照明関連サービス
(株)テクニコ
LED(発光ダイオード)照明の普及が家庭、オフィス、工場のどこでも進んでいる。店舗やホール、イベント会場、ホテルもしかり。テクニコ(大阪市、諏訪寧三社長)はホテルやホールでの結婚披露宴、企業イベント、会議・セミナーなどを盛り上げる"演出空間開発カンパニー"を標榜。演出に欠かせない照明、音響、映像をパッケージで提供し、確固たる地位を築いている。今、力を入れているのがLED照明で、自らLEDスポットライトを開発するなどメーカー色も強め、拡大する市場をがっちりつかみ取ろうとしている。
昭和61年(1986年)に誕生した同社は、発足後すぐに、大阪の大手ホテルのイベント演出を請け負った。以来、約30年間、ホテルの宴会場を"主な仕事場"とする業務に取り組んで、「社員の80%がホテルに常勤している」(営業部)というほどホテルとの関わりが深い。照明、音響、映像のプロフェッショナルと最新機器のシナジー(相乗効果)による高品質の現場オペレーション。それが同社の生命線となる。
「現場を知り、サービスを知るわれわれだからこそ、既存メーカーでは手が届いていない製品を提供できる」(諏訪社長)。そんな思いから同社では、オペレーション主体のサービス会社から脱皮し、メーカー機能も併せ持つことを志向。照明機器、とくにLEDスポットライトに照準を合わせて、関連製品の開発、販売に乗り出した。照度を無段階で切り替えられ、スムーズな調光が実現するなど、従来機器では難しかった機能も新製品に織り込んだ。
テクニコが照明機器の開発・販売を始めたのは4年前の2011年のこと。折悪しく3・11が発生した。諏訪社長は「翌12年もだめで、最初つまずいてしまったが、環境が整ってきた」と手ごたえを感じている。ホテル業界は2020年の東京オリンピックに向け、活況を呈することが見込まれ、そこに商機ありというわけだ。ホテル以外に、葬儀場、アミューズメント施設、演劇舞台など演出が必要なさまざまな施設、空間での需要も少なくないと見ている。
「当社を育んでいただいたホテル業界に軸足を置きながら、こだわりの商品を多くの方に紹介し販路を拡大していきたい」。諏訪社長は、今後の方向性をそう語り、新規ユーザー開拓に意欲をみせる。メーカー、卸、小売り、サービスといった業種・業態のボーダレス化が産業界の一つのトレンドとなっている今日、同社のサービス会社×メーカーのシナジー戦略には大きな可能性が感じられる。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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