株式会社シンクチューブ
■高い目標掲げVB精神を貫き通す
業種:無線LANとネットワーク構築
株式会社シンクチューブ
ベンチャービジネスは、世の中にないような新しいアイデアや技術、サービスを商品として提供する企業であり、チャレンジ精神に溢れた企業といえる。しかし、高い理想を持ってスタートしたベンチャーでも設立から5年、10年と経過するうちに、将来の発展が望めなくなったり、研究開発がおろそかになってしまったりする。逆に経営が安定することで、リスクに対して果敢に挑戦するというベンチャーの気概を忘れてしまう企業も多い。
株式会社シンクチューブ(神戸市)は2001年11月に設立されたIT系のベンチャービジネスだ。すでに7年が経過したが、今もベンチャーとしての精神を持ち続けている。同社は通信用機器やソフトウエアの開発・製造を手掛けている。とくに「無線メッシュ・ネットワーク」と呼ばれる通信技術を最も得意にしており、「技術ベンチャー」を自負している。通信機器を数珠つなぎに配し、相互に情報をやり取りするネットワークを構築する技術だ。
ベンチャービジネスは顧客が固定されないケースが多い。同社も取引先は公的機関や研究機関、企業の研究所、自治体と多岐にわたっている。独自に開発した「無線メッシュ・ネットワーク技術」に注目して、様々な案件が持ち込まれる。この中から、思いもよらないニーズが生まれている。災害用ロボットの通信や、子供のランドセルに着けたICタグの位置検出、船舶建造時の計器類テスト用臨時ネットワークなどがそれだ。セキュリティー対策や危険の伴う場所での利用に威力を発揮しているわけだ。
このネットワークは拡張性に優れ、安定した通信が可能であり、配置の変更も簡単にできるため、屋外での使用にも適しているために実現したともいえる。さらに無線ブロードバンドを利用した「持ち運び型映像通信BOX」へと発展している。同社が狙うのは時間や場所を問わずにネットワークが利用できる「ユビキタス」と、広域で安定した通信が可能な「ブロードバンド」の2つであり、顧客が両分野のナビゲーターになっている。
同社は次から次に持ち込まれる案件を開発の俎上に乗せ、実証実験を繰り返しながら、世の中に送り出している。理想は「通信機に新たな映像認識機能を持たせたユビキタス・インテリジェント・システム」(海藻敬之社長)と高い。実現のためにセンサーメーカーなどとの協業も視野に入れているという。常に高い目標を掲げながら技術開発に挑戦するベンチャービジネスの姿を守り通し
ている。
著作者:e-中小企業庁&ネットワーク
出典:中小企業ネットマガジン
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